2014/05/13

世界に誇るべき洋裁カルチャー

我が国の伝統的な洋裁文化。文化服装学院やドレスメーカー学院などの教育や啓蒙活動によるところが大きいが、一見廃れたかに見えるこの伝統、私は今でも脈々と続いていると思う。

前出のアンドルー・ゴードン著「ミシンと近代日本」のP196 に大宅壮一さんのこういう言葉が載っていた。
「外国人でこの洋裁ブームを見て、驚かぬものはない。」「なにしろ、「世界中どこへいっても、日本のように洋裁学校の繁盛しているところはない。」と。

以下は1958年の朝日新聞の記事で、1日5千人集まったドレスメーカー学院の始業前の様子です。
夥しい数の女性が門前にいます。本当にこの当時の洋裁熱が凄かった事がわかります。

かつてはこのように多くの女性が洋裁学校に通ったものです。花嫁修業の一貫とされ、女性は今のように4年生大学に行くよりも、短大か洋裁学校など、将来の良縁と主婦業のため教育を付けさせておくことが親の役目だと思われていた時代です。
ただ、今でもケイコとマナブに代表されるように日本のお稽古文化はなくなっていません。
これらは100年以上前からある茶道、華道などの稽古文化に由来しているようです。

一時驚く程の隆盛を極めた日本の洋裁学校ですが、それらの教育機関は出版社を持っているか提携出版社があり、今でも多くの洋裁本、型紙本(Pattern Book)と呼ばれるジャンルを形成しています。
洋裁文化でいうと、日本のパターンブックは海外でも一定の支持層がいるようで、たまに見るアメリカのソーイング関連ブログでも、コメントを見ると日本のパターンブックを元に自分の服を作ったりしている人が結構いるようです。
日本ほど本屋に行ってパターンブックが買える国は他にないからでしょう。
日本の型紙本は一部英語版などに翻訳されているようですが、翻訳されていないものでもアメリカの紀伊国屋などを通じて買っている人がいるようで、日本語がわからなくても型紙を写して工程図を見て作ったりしているようです。これには本当に感心します。
日本人も英語ならまだしも、それ以外の言語のソーイング本を見てやっている人なんてあんまりいないのではないかと思います。

今や文化服装学院も海外からの留学生が結構いるようですし、教育の機会や情報の多さなどで日本はかなり恵まれた環境と言えます。

そういう意味で西洋から輸入し独自の形で発展させ、今はミシンのみならず洋裁文化も輸出しているという点でかつて高度成長期からバブル期まで日本の発展の牽引力となった加工貿易が文化という側面でなされているのです。

かつては新聞誌上にも定期的にパターンが掲載されていたようです。


なお、自分で洋裁の基本を勉強する際には、この本は役に立つと思います。
その名も洋裁百科。かなり分厚い本です。基礎から応用まで、洋裁・ソーイングのあらゆることを網羅しています。

2014/05/11

ミシンの歴史を知る 

ミシンをたくさん購入し、数多の情報を仕入れていると、やはり知りたくなる、いや知らなければならない避けて通れないのがミシンの歴史である。

日本でのミシンの伝来・普及、歴史や現状を簡単に知るにはこのページが役に立ちます。
株式会社日本ミシンタイムス社
http://mishintimes.jp/mishintimes.html

またこれ以外にミシンの歴史に関して役立つ本・資料をいくつか紹介したいと思います。

皆さんご存知かもしれませんが、日本で最大の図書館、国立国会図書館では著作権の切れた古い本や資料をデジタル化しています。それがネット上で閲覧出来るのです。
また、Google booksもネット上で本の一部、とはいえ結構なページ数が見られます。


国立国会図書館 
「ミシン裁縫全書」シンガーソーイングメシーンカムパニー
  シンガーミシンのかつての名機や、その使用方法について触れられています。かなり前の本ですが、この当時から豊富な押えなどがあって今と変わらないくらい充実していたことがわかります。

ただし、この本のP174にあるミシンをポータブルにできる という図は
ちょっと違和感が、、、、、、。この当時のミシンは20KG近くあるので、こんなに軽々と女性が持ち運べません。私が知らないだけで、昔の女性は力持ちだったのでしょうかね。


Google Books
服飾を生きる: 文化のコンテクスト」横川公子
P148からミシンの家庭への導入について書かれています。
日本にミシンが普及した当時はドイツ製ミシンが主流だったが、シンガーが本格的に進出してから徐々にドイツ製ミシンの輸入量が減って行ったことや、日本のミシン文化の発展において重要な役割を果たしたシンガーミシン洋裁学院についても言及されています。

ネットでは見られませんが、日本の歴史をミシンという機会を通して社会的、経済的に考察した本が以下です。
ミシンと日本の近代―― 消費者の創出
アンドルー・ゴードン (著), 大島 かおり (翻訳)  原題:Fabricating Consumers: The Sewing Machine in Modern Japan  Andrew Gordon

ちなみにこの表紙はジャノメの1960年の社内報と同じ絵なのですが、明治時代と1960年当時の女性の違いが見られます。髪型、服装も大きく違います。日本がこの間にかなり外国文化を取り入れて生活様式が変わっていったのがわかります。
ちなみに、左の羽子板に書かれているミシンは私も購入したHL2-350です。

以上、ご興味のある方は是非見てみてください。

2014/05/10

ブラザー、その相対的価値

ここまで長くミシンの話をしてきましたが、日本を代表するミシンメーカーの1つ、ブラザーの話がほぼ出てきていません。一つとして自分のところにブラザーのミシンが来ないからです。

職業用ミシンを求めて探している時、ヌーベルクチュールもいろいろ見てみました。カラーリングも黒のものなどは好みで、形もすっきりしているので良いデザインですが、専用の電源一体型フットコンが今では手に入らないとか。これは大きな-マイナスポイントです。ベルニナはいうに及ばず、JUKIでさえ、今でも古い機種用のフットコンが手に入るのに。ブラザーはそう言う点でも自分とは相いれません。

薄地に強く下針がついているとかで、興味をもちましたが、やはり薄地はあまり縫わないのでこの部分でも自分には向いていません。親和性が低いということ。

ペースセッターや垂直釜電子ミシン・コンパル(膝レバーコントローラーのついたものでデザイン良)も、とてもいいミシンだと思われ少し興味を持ちましたが、なぜか縁がないのです。
ちなみに小さいころから実家にあった足踏みミシンはブラザーです。今でも動きますが、自分のものではありません。家族でも人それぞれ違います。

そして近年ソフトウェア指向へと向いたブラザー。刺繍ミシンの種類も豊富でソフトも充実しているようですが、その刺繍デザインもハスクバーナと比べた場合あまり興味がわきませんし、そもそも刺繍ミシン自体、自分には必要ないのです。
機械は全て絶対的価値ではなく相対的価値なのです。だからいくらいいミシンでも自分に合わなければ意味がないのです。

ちなみに一時ブラザーのFAX電話機を使っていましたが、FAXについては何の不満もなく、デザインも白いシンプルなものでよかったです。
ブラザーが他の大手ミシンメーカーと大きく異なる点は、ミシンだけでなくプリンターやFAX、コピー機など他の製品も作っている事。総合メーカーとしてみた方がいいと思っています。

最近のブラザー家庭用ミシンは軽く、パワーも小さ目で、耐久性があまりないという話も目にします。実際どうかはわかりませんが、厚地を主に縫いたい方には向かないかもしれませんね。
刺繍をしたい人やヘビーな使い方をしない人に向いていると思います。デザイン的にいいものは結構あります。
なお、工業用ミシンでもブラザーはJUKIと並んでよく使われています。
下記、マーガレットハウエルのイギリスにあるシャツ工場でもミシンはブラザーです。工場と言っても日本や中国、アジアの縫製工場とはちょっと雰囲気が違いますね。



2014/05/08

ベルニナ伝道師 海外竜也さん

ベルニナが好きで、ベルニナの事をネットで調べていると、知らないうちによく目にするようになっていた「海外竜也」という名前。
最初、”うみそとたつや” と読むのかと思っていたら、”かいがい” さんとのこと。
あまりに特徴的なので、一度見たら忘れない名前です。 

リバティプリントを用いて一つ一つ手作りされた自身のwarp&woofというブランドを運営されていて、一部の女性に人気がある洋服を作られているようです。
またソーイングのワークショップを全国で開催されたり、NHKの「すてきにハンドメイド」という番組でも講師をされていたりするそうです。

海外さんはベルニナのミシンを愛用されているようで、ご自身の服作りはもちろんのこと、ワークショップやテレビでもベルニナミシンを使われています。そのためか、ベルニナのホームページにも海外さんのテレビ出演や雑誌掲載などの情報が紹介されています。

正直なところ、この方が作られている服やリバティプリントなどは、ガーリーテイストでファンシー過ぎて全く興味がないし、このような雰囲気の服の良さがよくわかりませんが、下記のベビーロックのインタビュービデオを見たところ、とても共感できる事ばかりでした。
今の時代、皆が見失いがちなとても重要な事を言われています。ビジネスコンセプトはとても素晴らしいものだと思いました。
https://www.youtube.com/watch?v=OmoZLb5T_wI

・服を年齢で切ってターゲット化して販売する日本のアパレル業界への疑問。
・大量生産のファッション産業への違和感  
など感じておられたため、
・多様性の時代における細分化された趣味嗜好に応える服。
・流行に左右されない、長期間にわたってワードローブを増やしていけるような服。
というコンセプトで自身のブランドを運営されているようです。

私も服装や衣料品については
 なぜ、半年・1年経った製品を安く売るのか。
 セール販売ありきで最初の値段を高めにつけるのか。
 安易にアウトレット品とするのか。スタイルをすぐに変えるのか。
 次の年に同じものを着ると何故古いという感覚を持たせてメディアとともに消費者をあおるのか。
 流行色というのを意図的に事業者側が設定するのか。
 人気があり需要のある商品を長年売り続けないのか。
というような疑問を常に持っていました。
だから気に入ったものはかなり長く着ます。流行を追う事はしないので、靴も10年以上、服でも10年以上着ているものがあります。

私は靴でも服でも気に入ったものはもう一度同じものを購入したいと思う事があります。でも年をまたいでしまうと同じものは二度と手に入りません。
だから自分でいずれ、そういう事業が出来ればいいなと考える事があります。


海外竜也さんが出演するNHK「すてきにハンドメイド」が5月に放送されるようです。
http://www.nhk.or.jp/kurashi/hand/
ご興味のある方は是非。
花柄チュニックを作るようですが、チュニックって何がいいのかよくわからないです。実際世の中の調査でもあまり男からは人気がないようです。
ただし、服なんて清潔で人に不快感を与えない限り、人がどう思うかより自分が着たいものを着るのが一番ですから、女性がチュニックを好きならそれでいいのでしょう。

2014/05/07

ベルニナキャンペーン

ベルニナはネット販売/掲載を禁止しているのか、実売価格を知るのが容易ではありませんでした。ちょっと前までは。

ただし去年スイスフランの為替が一定の金額に達するまでという期間限定で、割引価格で購入できるキャンペーンをやっていた。そしてベルニナジャパンのサイトにも定価と割引した価格が掲載されていました。
さらに2014年はスイス国交樹立150周年キャンペーンということで、2014年2月21日~8月20日まで20~25%の割引価格で販売されているようです。
 http://www.bernina.co.jp/default_detail-n471-i9799-sJP.html

とにかくベルニナ購入の壁は高価格の他に不透明性というのもあったのですが、このように少しずつオープンになっていくことによって、いつかはベルニナというファンも増えていくのではないかと思います。

現行の機種でいうと刺繍が要らない場合、3シリーズか5シリーズがいいと思っていたのですが、キャンペーン価格表を見る限り刺繍機がつくB560 やB580 よりも、その上の7シリーズの刺繍機なしB710の方が安いみたいです。
購入計画をたてるためにもこういう風に価格がオープンになるのは嬉しいものですね。

8月までのキャンペーン、ボーナスで買う人もいるでしょうし、“いつかはクラウン“  ではなく、  “いつかはベルニナ” 
いつかこれがしたい、これが欲しいっていうのがないのも寂しいので、ベルニナさんにはずっとブランド力のある憧れの存在でいてほしいものです。