2014/05/31

家庭用ミシンで革を縫うこと

家庭用ミシンを買う際に、ジーンズを縫えるか、雑巾を縫えるか、革を縫えるかというのを気にする人が多いようです。

雑巾についてはパイルの起毛などもあり、思っているより縫うのが難しい素材なので、ミシンで縫うよりも手縫いで済ませるか、100円ショップで買ってきてもいいのではないかと思う事があるので、ここでは論じません。

ジーンズについては、テレビショッピングのミシン販売でも、デニム10枚重ねなどを縫っていますが、実際に折り目が何枚も重なったところは貫通しても、段差により送りがうまく行かない事があるのです。重なった部分だけはずみ車を手で回したり、工夫することによって、大抵のミシンで縫えるのではないかと思います。
職業用などパワーがあるとされているミシンでも機種によっては、ジーンズなどの厚い生地は何とか縫えたというものも中にはあるようですので、あまり厚いものは自分で工夫することも大事です。

そして、革ですが、これも柔らかい革なら多くの家庭用ミシンで縫えると思います。
私が持っているミシンでは、ベルニナの全てのミシン、JUKI HZL-7800などは難なく革は縫えます。これらの機種は職業用と同じくらい厚地を縫えると思います。
その他、昔の直線ミシン(ジャノメHL2-350など)、ジャノメ・エクセル815も問題なく革が縫えました。

革を縫うときは、上送り押えを使うのがいいですが、そうでなくても縫いずれせずに縫えるものはあります。またテフロン押えはすべりを良くするものらしいですが、普通の押えと比べて若干良いという程度かと思います。

中古であれば、ジャノメのメモリア、メモリークラフト、センサークラフトは優れたミシンですので革も縫えます。この当時のジャノメコンピューターミシンはパワーがあり、ベルニナくらい縫えると思います。
JUKIもHZL7000番台や9000番台などもパワーがあるので同様です。

現行ミシンでは、ジャノメCK.、JUKIエクシード、JUKIグレース、JUKI HZL-T470などはパワーがあるので、一定までの厚さなら革も問題ないでしょう。
ジャノメJP510やJP710などの人気機種、ジャノメの電子ミシン、ブラザー・フェリエ・、ソレイユなどの中上位機種も薄目の革なら縫えると思います。
そして、ジャノメ・ホームレザー110はその名の通り家庭で革を縫うために作られた商品ですが、これも一定までなら縫えますが、あまり厚いものは無理でしょう。このミシンは上送りなどの付属品が標準で付いている以外、その他の中位以上のジャノメミシンと何が違うのか不明です。

職業用と同じくらいパワーのあるミシンなら、糸は20番くらいまでの太さなら対応可能だと思いますが、それ以上太い糸になると調整しないと綺麗に縫うのは難しいでしょう。
普通の家庭用ミシンで対応する糸は、通常30番までです。

家庭用ミシンで、革を縫って何か作りたい人にはこちらの本がお勧めです。
オーソドキシーの 家ミシンで作る 革の小物とBag
この本には、革を使った小物やバッグの作り方が載っていて、基本的に家庭用ミシンで縫えるものを前提としています。
写真つきで細かく工程を説明してくれているので、非常にわかりやすいです。各アイテムを作る手順や内部構造を理解できるので、これを覚えれば応用もできます。
ちなみにこの本ではブラザーのミシンを使っています。

2014/05/30

家庭用ミシンの優秀性

前回、家庭用ミシンに使うサイドカッターについて書きました。これはロックミシンの代わりになるものとして作られていますが、ロックミシンもサイドカッターも本当に必要なのかという事をふと考えました。

つまり、型どおりに裁ちばさみで切って、ジグザグや、かがり縫いをすればいいので、切ながらかがるというのは本当に必要なのかという事。
たしかに、型どおりに切らないで、線に沿ってかがって行けばロックミシンやサイドカッターも有用ですが、普通は裁ちばさみで縫い代までを切ることが多く、切ったものの端をかがる事が多いです。

私はロックミシンがあれば作業時間の短縮という点で便利だと思いますが、自分で作ったものを販売していて毎日のようにソーイングする人でなければ、ちょっとばかり時間がかかるのも大した話ではないですし、結局は大体の事は家庭用ミシン一つで出来るのだと感じます。
私もロックミシンを出すのが面倒なので、ついつい家庭用のオーバーロック縫いで済ませてしまう事が結構あります。ロックもたまには使ってあげないと動かなくなるのですが、家庭用のオーバーロック縫いの模様が結構好きなのです。

職業用はボタンホールもジグザグもできませんし、工業用も用途別になっているので、出来るのは単一の機能で汎用性がありません。
職業用は約2倍、工業用で5~6倍のスピードになるのが最大のメリットです。多くのものを早く安定して作れますが、特定の縫い方しかできません。

そう考えると万能で多機能、1台で殆どの事が出来る家庭用ミシンは本当に優秀だと思います。
何でもできるのは、何もできないのと一緒という意見もありますが、優れた家庭用ミシンがあれば大体の事はできるのではないでしょうか。

だから、あれやこれやと目移りせずに頑丈で適度な大きさとパワーのある家庭用ミシン1台を使ってあれこれ作る、普通の人はそれが一番いいのだと思います。

多くのミシンを興味本位で買ってしまった私ではありますが。。。。。
もし全てがなくなってしまってもこれだけは置いておきたいと思うミシンは、JUKIの職業用SPUR25ではなく、リッカー・ベルニナRCM-1230です。
直線、かがり縫い、まつり縫い、補修、何にしても、これが一番使いやすく欲しい機能とアタッチメントがあり、一番操作しやすいからです。

自動糸切がどうしても欲しい人、便利なので水平釜がいいと言う人、キルトをしたい人、刺繍をしたい人など、人によって好みと用途が違うので、どのミシンがいいかは人によると思います。

現状の自分の使い方ではRCM-1230が一番便利なのです。




2014/05/29

ベルニナ・サイドカッター

とても珍しいものを、某オークションでみつけて購入してしまいました。
それがこちら

ベルニナのサイドカッターです。かがり縫いしながら布を切ってくれる、ロックミシンの代わりになるようなものです。こちらは旧型(ホリデーヌなど)用です。

ジャノメや他のメーカーのサイドカッターについて初心者が質問しようものなら、集中砲火のように、あれは役にたたない、無用の長物、お金の無駄。全然ダメ。もう見ていて悲しくなる時があります。
さらに、ルビーロックなるものも同様にその性能に疑問符がついているもののようです。

そんな家庭用ミシンのサイドカッターですが、ベルニナさんにもございます。それがこのCut'n Sew。こちらはちゃんとアタッチメントカタログにも載っています。専用押えはNo.90

使った感想としては、切れます。ちゃんと切ってくれます。デニムでも。


オーバーロック縫いを選択すればそれなりの形になります。でも、人に勧めるかと言われればわかりません。なぜならロックミシンに比べてこの縫い方をすると時間がかかり、布送りが遅いからです。そして、新品で買うと高い。

1000円~2000円で手に入る国内メーカーのサイドカッターなら遊びで買ってみてもいいとは思います。
やる気や経験のある人はそもそもこれではなくロックを欲しいと思うでしょうし、サイドカッターを欲しいという人のソーイングでは、まあそこそこの働きをしそうだし、使い物にならなくてもそれくらいのお金ならそれほど口惜しくはないでしょう。

ベルニナちゃんのサイドカッターを買うとしてお勧めできるのは、ロックミシンを置く場所がないか、ミシン1台ですべてを行いたい場合だけです。布を切ると言う点ではこのサイドカッターは十分機能してくれます。
ただし、置く場所がある場合は3本糸のロックミシンを2万円台で見つけた方がいいです。

私はこのベルニナのサイドカッターが好きです。アタッチメントを付けて一台で何でもできるのが好きだからです。



2014/05/28

ベルニナホリデーヌ・純正ボビンケースでないといけないのか?

予想もしていませんでしたが、購入した1090にはベルニナ純正ボビンケースがついていませんでした。代わりについていたのが、11.5㎜用の家庭用垂直釜ミシンのボビンケース。普通の手芸屋さんでも買えるものです。さらにボビンはプラスチック。
ベルニナ純正ボビンは厚さ10.5mm位とやや薄く、ボビンケースもそれ用に設計されています。
左が普通の垂直釜、右がベルニナ純正
ベルニナは純正ボビンでないとうまく縫えない、さらに純正ボビンケースは購入すると高いと知っていたので、この時はあーやっぱり安いのには理由があったかと思いました。
ただし、実際に縫ってみると縫い目が普通に出ている。さらにボタンホールも縫ってみたが、意外と綺麗に縫える。
純正ボビンケースでボタンホールを縫う際、角の穴に糸を通して縫うと綺麗になると説明書にも書いてあり、こういう理由からも純正でないと綺麗に縫えないと言われているようだが、私としてはこれで全く問題ないんじゃないの??と思ってしまったのです。

一般垂直釜での縫い模様
ボビンケースが純正でも、ボビンが普通の家庭用11.5㎜だとサイズが合わずにケースの中でボビンの音がキュルキュルと言うらしいが、これはボビンケースもボビンも11.5で統一され、さらにボビンはプラスチックのため軽い、となると音も静か。

この条件で普通に縫えるのなら、純正ボビンケースを買わなくてもいいのではないかと思ってしまいました。とはいえ、何となくちゃんと揃っていないと気が済まない性格なので、ebayにてジェネリックと思わしきベルニナ用ボビンケースが安く売っていたので購入しました。ところが、届いてみたら写真とは違って、普通の家庭用ボビンケースでした。
やられたぁ!!と思いましたが安い物なのでクレームしたり、送り返したりするのも効率が悪く、評価でその点記載して終わりにしました。この普通のボビンケースは他のミシンで使えるのでまあいいかと納得したのです。

そして未だに1090用に純正ボビンケースは購入していませんが、これをメインで使うわけではないし、普通に縫えるので、しばらくこのままにしておこうかという感じです。
ホリデーヌを中古購入し純正ボビンケースがない場合は、普通の家庭用垂直釜ボビンケースに、プラスチック11.5cmボビンであれば案外うまくいくかもしれません。
1230でもこの一般ボビンケース+プラスチックボビンのセットでやってみましたが、問題なく縫えました。(全ての縫いを試したわけではないですが)

上記はベルニナCBフックに一般垂直釜ボビンケースを使ってもいいという事ではないです。実際にこれを使い続けるとどうなるかはわかりません。一応縫えるという事実をお伝えしただけです。

2014/05/27

ベルニナ期COME BACK AGAIN 購入ミシンNO16 リッカー・ベルニナ ホリデーヌ1090

また購入していました。

すでに前のミシン購入から数か月たっていたので、自分の中でミシン購入はもう終わったかなと思ってはいたのですが、RCM1230さんが一時スイッチをOFFにしても電源が切れない事が起こりました。レバーのちょっとした接触の問題だったので結局これ以降はあまりそういう現象はでなくなったのですが、その時はコンピューターミシンゆえ、動かなくなったらいやだなぁとちょっと頭をよぎりました。

これ使えなくあったら嫌だなと思い、またベルニナ・ホリデーヌを某オークションで検索してしまったのです。

そしてたまたま安価でスタートしていたベルニナ、ホリデーヌ1090を発見。おそらくこのまま結構な値段まで上がるだろうと見ていて、終了直前に期待もなく見てみたら、え、この値段で終わっていくの?ベルニナちゃん。付属品は全てそろっていなさそうだし、ランプはつかないとのことでしたが、一応動くらしいよ。なのにこの値段????すかさずその時点の金額よりも少し上のこれだったら最悪どっかおかしくても惜しくないな、という値段で入札すると、なんと落札できてしまったのです。

RCMは既に前面パネルにすべての模様が表示されていますが、これは半分だけ表示されているのです。
ネットで1090は1230・1240の文字縫いが出来ないというだけの違いと書いてあったのですが、ボディを見る限り模様数はずいぶん少ないような気がすると思っていたところ、なんとボタンを押すことにより模様がパッと切り替わります。
これにより模様数が倍、つまり1230から文字縫いを引いたくらいの模様縫いが出来るのです。
左が実用縫い、右が模様縫い
この1090フットコン、テーブル、膝上げレバー、操作感、パワーなどはほぼ1230と同じ。
ただし、1090は発売時期によっていくつかカラーバリエーションがあるようで、黄色ベースのものを一番よく見かけますが、私が買ったのは1241と同じボディカラーのため、これは後期に発売されたものだと推測されます。そしてそのためかどうかはわかりませんが、動作音がかなり静かなのです。
そういう思わぬ違いを発見できました。

2014/05/25

100円ショップの糸セット、糸付プラスチックボビン

エメラルド183を買うまで、現在殆どの家庭用ミシンで採用されている11.5㎜厚プラスチックボビンを使うミシンを持っていなかった。
だから100円ショップでよく売っている、何ともお得なこの糸付ボビンセットというのを知ってはいたが、買う事はなかった。ボビン12個に既に糸まで巻いてあるなんて安くて便利だなーとずっと気になってはいた。
エメラルド183を買ったので、試しに買ってみることにした。
ついでに上糸用に50m巻の22色のセットも買って、合計200円(税抜)


100円のボビンはボビンケースの中で動いてよくないとか、100円のセット糸はすぐ糸切れするとかいう声もあるようですが、自分が使った限りでは特に問題ありませんでした。
ボビンもメーカー純正のものよりも精密さに欠け、やや形状が違う のかもしれないけど、それほど品質にこだわりがなく、家庭内で使用する分にはこれでも十分なのではとも感じました。
(使うミシンにもよるでしょうから、全ての条件でうまく行くかはわりませんが)

以下、左側の青っぽいのがエメラルド183についていたもの、右が100円の糸付ボビンです。

自分も他のミシンではこの糸はあまり使っていませんが、水平釜プラスチックミシンでこだわりがないものには、安いので使ってしまいます。

テレビショッピングなどでミシンを買うと、12色や24色糸セットがついているものがあるが、品質的にはこの100円ショップの糸セットと変わらないのではないかと思う。だから、万が一返品した場合もセット糸は返品不要となっているものもあるのかと。

●追記●
糸が既に巻かれたボビンはいくつか使ってみると、糸巻がゆるかったり、巻き方が不揃いで釜の中で絡んでしまうことがたびたびありました。
ボビンの糸は内側から順に外に重ねて巻かれているのが普通ですが、100円の糸付ボビンはそうではないこともあるようで、ボビンの糸を引っ張ると巻かれている糸の内側に入り込んでいたりしました。
ミシンで手順に沿って下糸巻きをしたときにはこういう事はないので、どういう巻き方をしているのか不思議です。やはりボビンには自分でミシンを使って巻いた方がよさそうです。






2014/05/24

ハスクバーナの押え

エメラルド183を購入して思ったのですが、ハスクバーナのミシンは押えも標準でたくさんついています。こんな感じです。

が、なぜかベルニナ同様、三巻押さえが標準で付いていません。
海外では三巻はそれほど重要じゃないんですかね。日本だとわりと標準でついているのに。私は出来れば三巻は欲しいです。端かがり用の押さはなくても何とかなりますが、三巻は結構重要だと思っています。
私の頻出押えは、標準、三巻、まつり縫い、ダーニング、ジッパー です。

三巻はついていませんが、エメラルド183にはギャザー押えがついていました。ギャザー押えは初めてだったので、これは意外でした。
ギャザー押え
自分はあまりギャザー押えを使う事はないと思いますが、レディースの服なんかはよくギャザーがついた薄地の服がありますね。
実際にギャザー押えを使ってみると、上糸を強めにして直線を縫っていくだけで、こんな感じで布にギャザーが出来ます。(写真右端参照)
黒い模様は、エメラルド183で模様縫いをしたものです。やはりハスクバーナはエメラルドでも模様縫いがいい感じです。

ちなみに、ハスクバーナの押えは装着方法が他のメーカーのものと違って押え棒に押し込む形です。
この183でいうと押え棒の白い部分の先端の隙間に押えを押し込みます。外す時も引っこ抜く感じで簡単に取れます。
他社のネジ式やスナップオンタイプよりも簡単に取り外しができます。




2014/05/23

初の水平釜ミシン、その使用感。購入ミシンNO15 ハスクバーナ エメラルド183

届いたミシンを見てみると、外箱も赤いハスクバーナのものがついていて、予想外。

中を開けたらこれ使った事あんのかなというくらい、汚れもなく綺麗。中古ミシンを買うとまず使い始める前に、時間の長短はあれ、外観と釜周辺を念入りに掃除する必要がありますが、これについては全くしませんでした。


コンセントをつなぎスイッチオン!緑のディスプレイが光ります。そして白い大きなフットコントローラーをつないで踏んで見るも、うん、動かない。
あ、ディスプレイに何か出ている。あー押えを下げないと動かないのかー。とそんなミシンは初めてだったので、改めて押えを下げ、フットコンを踏むと軽快に針が上下し始めました。やった!!

なんか音が大きいな、と最初思ったのですが、プラスチックのミシンなのでやや動作音が反響するようです。
よく考えれば水平釜も初めてですが、プラスチックのミシンは山崎君以来です。山崎君は手元操作でしたし、全くの初心者時代なのでスピードもそれほど出していませんでした。
その後はアルミダイキャストの頑丈なボディのものばかりだったため、プラスチックミシンの音についてはよくわかっていなかったのです。これ以外のプラスチックミシンはもう少し音は小さいのかもしれませんが、183はやや大きい音だと感じます。

ちなみに本体は中国製。フットコントローラーだけスウェーデン製と書かれています。
そして初めての水平釜を使った感想ですが、特に変わった事はない、でした。以前工業用ポストミシンで使った水平釜のものと糸巻の向きや糸の通し方もほぼ同じだったので、何の問題もありませんでした。


縫い目も垂直釜の方が綺麗と言われますが、それはちょっとした差です。
上下の縫い目が微妙に違うような気がしますが、本当にちょっとしたもので、水平釜でもきれいな縫い目が出ます。なにより新しいミシンなので、使い勝手はいいです。安定しています。

ハスクバーナなので模様縫いも綺麗でかわいいです。また、このミシンはハスクバーナの他のモデルと違い、11.5㎜の通常家庭用サイズのプラスチックボビンを使えるのでボビン買い足しの不安がないのはいい事です。


パワーはおそらく70Wくらいでしょうか。変圧器をいれていないので、ちょっとはスピード・パワーを発揮できていないのかもしれませんが、普通の布では問題ないです。ただし革などは針が止まってしまう事がありました。いずれ変圧器を入れても試してみたいと思いますが、このミシンにはそんなに厚地で活躍してもらわず、普通地など難なく縫える素材の時に登場してもらえばいいので問題なし。


何よりボタンホールの種類が多く、また普通にボタンを置けばそのサイズで縫ってくれるので楽です。ボタンホールもそこそこ綺麗に縫えました。(自分は満足するレベルでした。)
結論としてやはり水平釜は気軽で便利。思ったほど縫い目にも差がないので、普通の家庭用であればこれで問題ないのだと思いました。


私はやっぱり垂直釜が好きなのには変わりはありませんが。
水平釜のものを1台は欲しい。それが実現となり満足です。

2014/05/21

再びミシン購入へ。成熟期。 ハスクバーナ・エメラルドとベルニナのパンフレット

ベルニナ期が終了し、ジャノメのミシンを2つ買った後は、さすがにもうミシンが増えすぎたなぁと、一段落した気持ちもあり暫く新規ミシン購入をしていなかったのですが、また悪い癖が出てしまいました。

自分が持っているのは、そういえば垂直釜しかないな。
水平釜のミシンがこんなに主流の時代、というかベルニナ以外ほぼすべて水平釜にも関わらず、水平釜の使い方、使用感も知らないのはこんなにミシン好きなのにまずいのではないかと思ったのです。

確かに垂直釜が好きなのは変わりませんし、それが今後も変わる事はないでしょう。ただし、知らない触った事ない、プラボビンの糸通しの仕方も知らないなんて、と思い始めると止まらなくなり、また悪い癖が出てオークションでミシン検索をしてしまったのです。そして、たまたま「これ欲しい!」と思えるミシンに出会ってしまいました。自分が買うのはこれしかない!と。


そのミシンがハスクバーナ エメラルド183。

日本で発売された事がうかがえるページも見かけたが、このミシンについてはなかなか情報がない。
エメラルドと言えばハスクバーナの廉価モデルでジャノメが製造しているミシン。
デザインと押さえはハスクバーナ、中の構造はジャノメ電子ミシン。ただし、シンプルながらしっかり仕事をこなしてくれること、他にはないデザインからか長年人気のあるシリーズです。
日本で有名なエメラルド116、118などは電子ミシンですが、私が手にしたのはコンピューターミシン。118などと違って、文字縫いもできて、模様縫いも豊富です。この183がジャノメ製造かどうかはわかりません。

アメリカ向け120V対応で電源を入れていないからジャンク品ということで出品されていたのですが、多少の電圧の違いはパワー、スピード面での力不足が起こってもそれほど問題ではない事は他の北米の家電を使ってわかっていたので、まあ何とかなるだろうと入札したら思いのほか、というかかなり安く手に入りました。説明書はありませんでしたが、アメリカのハスクバーナのサイトでデータ入手可能だったので、これも問題なしでした。

ちなみに、ハスクバーナ・エメラルドのパンフレットの表紙。あまりいただけないビジュアルセンスです。ハスクバーナなのに・・・・・

こちら日本で発売中、人気のエメラルド116、118のパンフ(日本での販売元はベビーロックのジューキです。)



エメラルド。。。なんかこのビジュアルだけは。。。。いつの時代???
これが上位機種ならもっと違うのでしょうが。

ちなみに同様の女性モデルを使ってもベルニナの場合はこんな風になります。かなりビジュアルセンスが違いますね。クッションや服の模様も綺麗です。
モデルの女性もとても魅力的ですね。
悪い点がなく、褒めることしかできません。洗練とはこのことです。


その他のパンフレットもとてもいいですね。


2014/05/20

東北の底力、日本が誇るべき産業、ミシンとカメラ

前回、前々回と紹介した、福島・須賀川のYDK、山形で頑張る鈴木製作所(ジューキ・ベビーロックの製造会社)の他、カメラのレンズ製造で有名なSIGMAも会津で優れた製品を作っています。これらは全て東北にある企業です。

ミシンと同じくカメラも今や日本のメーカーが世界で独占状態を維持していますが、こういう地道な活動をしている製造会社に支えられているのです。
韓国や中国が追い付け追い越せと躍起になっている家電やデジタル製品、車などはさておき、ミシンとカメラは今でも世界中で日本メーカーばかりです。工業用ミシンなんてどこに行ってもJUKIがNO1。最近ユニクロなど中国製のものも縫製がいいのは、従業員の努力や品質管理の厳しさもさることながら、JUKIなど日本のミシンのなせる業でもあると思います。一方、有名ブランドの高い服でもフランスで作っているようなものはミシンの性能が悪いのか、すぐにボタンが取れてしまいます。

一時2008年のリーマンショック後の経済危機以降、自動車と電機メーカーだけ保護するため、エコカー減税やエコポイントなるおかしな制度がありましたが、こういう他国と差別化が出来ていない、またアジアの国に追い付かれそうな産業だけ国は特別扱いしています。
そしてメディアでは、「今や日本の電機メーカー全て合わせてもサムソン1社の利益に及ばない」と報道して、日本メーカーが衰退したようなイメージを植え付けますが、ミシンやカメラは未だに寡占状態です。

かつて、ミシンはシンガー、カメラはライカ・コンタックスなどが世界では憧れのブランドでした。これらの企業を日本企業が真似して、追い付け追い越せと頑張ってきたのですが、これらの先駆的企業も今や日本の技術協力なくして成立しなくなっています。
ベルニナ・ハスクバーナだってジャノメの力を借りて製造しているミシンもあるのです。
だからこそ、電機や自動車だけでなく、これらの産業のメーカーが継続して企業活動ができるように国全体で考えるべきだと思います。一定の産業だけ優遇するのはおかしいと思います。

※山形の寒河江市にある佐藤繊維のニットをテレビショッピングで見た時、なんておしゃれで素晴らしい製品なんだと感動しました。http://www.satoseni.com/

2014/05/19

ベビーロックの鈴木製作所と女性の活躍

前回YDK山本電気についてお話しましたが、今回はベビーロックのロックミシンを製造している鈴木製作所について書いてみたい。
ミシンに限らず大手メーカーが海外に製造拠点を次々に移転していく中、ベビーロックはその多くを山形にある鈴木製作所で作っています。だからこのジャンルでは他の追随を許さない程のリーダー企業となっています。世界中にここ程優れたロックミシンを作るところはないでしょう。

ちなみに英語ではロックミシンの事をSergerと呼んでいますが、ロックミシン(Serger)は基本的に日本メーカーが作っています。ベルニナやハスクバーナが出しているSergerも中身は日本メーカーのものです。工業用ロックではJUKI、ブラザーの他、ペガサスやヤマトなんかも有名です。

ちなみに、ベビーロックの鈴木製作所は山形から世界へ!がキャッチコピーのようです。
http://www.suzuki-ss.co.jp/
YDK、鈴木製作所ともに東北にあり、日本の製造業の多くは実は地方に拠点を置いています。今は何でも一極集中ですが、交通網も発達し移動時間が短縮され、モノの物流も格段に早くなり、ネット環境も整った現在、何でも一極集中して効率を上げるつもりが、逆に労働効率だけでなく生活効率を下げる国の方針にやや疑問を感じます。

政治家も地方活性化!とウケのいい事を選挙時やマニフェストで言っていても、その実、真剣には考えていません。
そんな国の方針や政治がどうとか関係なく、これら製造力のある世界に誇るべきメーカーは日々真面目に製品を作っています。こういう企業は地元の女性の労働力に支えられています。
今の政権は女性の社会進出や女性の活用なんて体のいい言葉を使っていますが、こういう企業は昔から地元の主婦の力を活用しています。女性のスタッフの力なしには成立しません。
下記は前出の鈴木製作所の女性スタッフたちのインタビューです。このベビーロックのインタビュー集を見ているとベビーロックのロックミシンが欲しくなります。
http://www.babylock.co.jp/interview/02/index.html

東京で言っている絵空事は関係なく、これらの女性は日本の力を盛り上げるのに昔から変わらず貢献していて、活性化なんて言われなくても、もう十分活動的なのです。
そういう会社の製品は不具合が少ないので、世界から日本製品は質がいいとなるのです。今や多くの日本企業も海外に製造拠点を移していて、本当の日本製なんて数える程ですが、東北を始め日本の地方に残る製造業を大事にしてほしいです。
これらの企業の継続的な事業活動なくして、日本の発展維持はあり得ません。

COOL JAPANとか上辺のイメージをアピールしなくても、いいものを作って発信していけば世界の人からの信頼は確保できるのです。国や政策者は、表面をつくろって無理にキャッチコピーをつけてイメージを作り上げなくてもいいです。地方で真面目に製造している会社が世界の人に知ってもらうための手助けだけをしていればいいのです。COOL JAPANという言葉自体イギリスのパクリなので、所詮その程度のものです。

グローバリゼーションの影響で、製造業を捨てて金融にシフトしたアメリカやイギリス、シンガポールや香港などを見て負けないようにと方針を決めるのではなく、ドイツや北欧、フランス、イタリアなど金融ではなく物づくりや文化を大事にする国を指標として欲しいものです。

2014/05/18

日本メーカーの立役者 YDKミシンモーター、そしてナショナル

ミシンを購入し始めてから、モーターというのは機械にとって非常に重要で、心臓部と言えるのだと気づくようになりました。
車やバイクはもちろんモーターで動きます。モーターとは回転運動です。
回転運動が大事なのは電力供給においても同じです。動力源が火力、水力、原子力どれであっても、タービンを回転させることによって電力は作られています。
電車や自転車、馬車、ベビーカート、荷台全て回転運動。ひいては地球も太陽も回転運動。天体自体が回転することによって成立しています。

ミシンに話を戻すと、ミシンモーターを語るにあたってYDK山本電気モーターを外して語ることはできない。
ロックミシンでリーダー的存在のジューキ・ベビーロックもこの山本電気のモーターをかなり昔から使っていて、今でも変わらずその性能を維持できるのはベビーロックの技術力・企業努力もさることながら、このYDKの後ろ盾をなくしてはあり得ない。
また足踏みミシンの電動化に際しても、今でも簡単に手に入るのはYDKのモーターくらいである。

かつてはナショナルのモーターも広く販売されていたが、今ではあまり見かけない。ナショナルもかつてはその名の通り国民のための事業・製造をしていた。しかし、数年前に国際ブランド名のPanasonicに統一したことによりナショナル名はあえなく消えてしまった。このころから何となく印象が変わり、松下電器に以前程の親近感を持てなくなった気がします。オーディオもPanasonicでなくてTECHNICSであるべきだと思いますし、SANYOは傘下ブランドとして名前を残すべきだったと個人的には思っています。
ロンドンのど真ん中、ピカデリーサーカスにもちょっと前まではSANYOの電光ビルボード広告が誇らしげに輝いていました。ロンドンでこれを見る度、日本人として嬉しかったものですが、今では韓国企業のHYUNDAIに変わってしまいました。時代の流れを感じます。

話がそれてしまいましたが、ベービーロックに限らず他のミシンメーカーもYDKのモーターの恩恵にあずかっている事は間違いなく、影から大企業を下支えする部品メーカーなくして世界に誇る日本の製造業は成立しません。
YDKは同じ商品を変わらず作り続けていることも尊敬に値します。
ミシン以外でもフードプロセッサーやブレンダーなどのキッチン用品のモーターにも使われていますし、自動車や掃除機用のモーターも製造しているようです。

2014/05/15

コレクターの性分。文化ファッション体系を揃える の巻

文化ファッション体系という、文化服装学院が出しているテキスト本があります。

これはおそらく文化服装学院の通信教育の教科書と同様の内容が収録されていると思われ、通学過程でもこれと似たような事も勉強するのだと思います。

このシリーズ、基本的な女性の服装に関する1—5以外にも、メンズ、帽子、靴、鞄、ファッション流通や、素材や品質論、色彩論までありとあらゆる本が出ています。

ジュンク堂やブックファーストなど大き目の本屋さんに行くと売っていることが多いですが、全て揃っているところはまずないので、揃えたい場合は色んなところで調達する必要があります。文化学園ショップであれば全て購入できるようです。

1-5の基礎と婦人服関連のテキストは英語版も出ています。

まずソーイングやデザインの基本となる 「1、服飾造形の基礎」を買ったのですが、買ったが最後、コレクターの性分が出てきてしまいました。全部ではないにしても、興味のあるものは一通り揃えてみてみたいと思ってしまったのです。
その後、古本がセットで売られていたのを買ったり、本屋さんで新品を手に入れたりで結構な数を揃えてしまいました。

シリーズの中で一番重要で基礎的な事を説明している「服飾造形の基礎」は全てのページをじっくり読みましたが、この本は色々と役に立つ事が書いてありました。
例えば、今まではしつけは適当にピンでしていましたが、この本ではしつけの仕方を丁寧に説明しています。
あとは、「メンズウェアⅡのジャケット・ベスト」ではメンズのテーラードジャケットは他のアイテムに比べて本当に手間がかかっている事がわかり、なぜメンズのスーツが高いのかが理解できました。

靴のテキスト(シューズデザイン)では、自分が学校で習ったのとやや違うやり方で型を起こしているので、これも非常に興味深かったです。

これからも何か必要な機会に役立つとは思いますが、
単純に集めたいという気持ちでこんなに買ってしまいました。


2014/05/13

世界に誇るべき洋裁カルチャー

我が国の伝統的な洋裁文化。文化服装学院やドレスメーカー学院などの教育や啓蒙活動によるところが大きいが、一見廃れたかに見えるこの伝統、私は今でも脈々と続いていると思う。

前出のアンドルー・ゴードン著「ミシンと近代日本」のP196 に大宅壮一さんのこういう言葉が載っていた。
「外国人でこの洋裁ブームを見て、驚かぬものはない。」「なにしろ、「世界中どこへいっても、日本のように洋裁学校の繁盛しているところはない。」と。

以下は1958年の朝日新聞の記事で、1日5千人集まったドレスメーカー学院の始業前の様子です。
夥しい数の女性が門前にいます。本当にこの当時の洋裁熱が凄かった事がわかります。

かつてはこのように多くの女性が洋裁学校に通ったものです。花嫁修業の一貫とされ、女性は今のように4年生大学に行くよりも、短大か洋裁学校など、将来の良縁と主婦業のため教育を付けさせておくことが親の役目だと思われていた時代です。
ただ、今でもケイコとマナブに代表されるように日本のお稽古文化はなくなっていません。
これらは100年以上前からある茶道、華道などの稽古文化に由来しているようです。

一時驚く程の隆盛を極めた日本の洋裁学校ですが、それらの教育機関は出版社を持っているか提携出版社があり、今でも多くの洋裁本、型紙本(Pattern Book)と呼ばれるジャンルを形成しています。
洋裁文化でいうと、日本のパターンブックは海外でも一定の支持層がいるようで、たまに見るアメリカのソーイング関連ブログでも、コメントを見ると日本のパターンブックを元に自分の服を作ったりしている人が結構いるようです。
日本ほど本屋に行ってパターンブックが買える国は他にないからでしょう。
日本の型紙本は一部英語版などに翻訳されているようですが、翻訳されていないものでもアメリカの紀伊国屋などを通じて買っている人がいるようで、日本語がわからなくても型紙を写して工程図を見て作ったりしているようです。これには本当に感心します。
日本人も英語ならまだしも、それ以外の言語のソーイング本を見てやっている人なんてあんまりいないのではないかと思います。

今や文化服装学院も海外からの留学生が結構いるようですし、教育の機会や情報の多さなどで日本はかなり恵まれた環境と言えます。

そういう意味で西洋から輸入し独自の形で発展させ、今はミシンのみならず洋裁文化も輸出しているという点でかつて高度成長期からバブル期まで日本の発展の牽引力となった加工貿易が文化という側面でなされているのです。

かつては新聞誌上にも定期的にパターンが掲載されていたようです。


なお、自分で洋裁の基本を勉強する際には、この本は役に立つと思います。
その名も洋裁百科。かなり分厚い本です。基礎から応用まで、洋裁・ソーイングのあらゆることを網羅しています。

2014/05/11

ミシンの歴史を知る 

ミシンをたくさん購入し、数多の情報を仕入れていると、やはり知りたくなる、いや知らなければならない避けて通れないのがミシンの歴史である。

日本でのミシンの伝来・普及、歴史や現状を簡単に知るにはこのページが役に立ちます。
株式会社日本ミシンタイムス社
http://mishintimes.jp/mishintimes.html

またこれ以外にミシンの歴史に関して役立つ本・資料をいくつか紹介したいと思います。

皆さんご存知かもしれませんが、日本で最大の図書館、国立国会図書館では著作権の切れた古い本や資料をデジタル化しています。それがネット上で閲覧出来るのです。
また、Google booksもネット上で本の一部、とはいえ結構なページ数が見られます。


国立国会図書館 
「ミシン裁縫全書」シンガーソーイングメシーンカムパニー
  シンガーミシンのかつての名機や、その使用方法について触れられています。かなり前の本ですが、この当時から豊富な押えなどがあって今と変わらないくらい充実していたことがわかります。

ただし、この本のP174にあるミシンをポータブルにできる という図は
ちょっと違和感が、、、、、、。この当時のミシンは20KG近くあるので、こんなに軽々と女性が持ち運べません。私が知らないだけで、昔の女性は力持ちだったのでしょうかね。


Google Books
服飾を生きる: 文化のコンテクスト」横川公子
P148からミシンの家庭への導入について書かれています。
日本にミシンが普及した当時はドイツ製ミシンが主流だったが、シンガーが本格的に進出してから徐々にドイツ製ミシンの輸入量が減って行ったことや、日本のミシン文化の発展において重要な役割を果たしたシンガーミシン洋裁学院についても言及されています。

ネットでは見られませんが、日本の歴史をミシンという機会を通して社会的、経済的に考察した本が以下です。
ミシンと日本の近代―― 消費者の創出
アンドルー・ゴードン (著), 大島 かおり (翻訳)  原題:Fabricating Consumers: The Sewing Machine in Modern Japan  Andrew Gordon

ちなみにこの表紙はジャノメの1960年の社内報と同じ絵なのですが、明治時代と1960年当時の女性の違いが見られます。髪型、服装も大きく違います。日本がこの間にかなり外国文化を取り入れて生活様式が変わっていったのがわかります。
ちなみに、左の羽子板に書かれているミシンは私も購入したHL2-350です。

以上、ご興味のある方は是非見てみてください。

2014/05/10

ブラザー、その相対的価値

ここまで長くミシンの話をしてきましたが、日本を代表するミシンメーカーの1つ、ブラザーの話がほぼ出てきていません。一つとして自分のところにブラザーのミシンが来ないからです。

職業用ミシンを求めて探している時、ヌーベルクチュールもいろいろ見てみました。カラーリングも黒のものなどは好みで、形もすっきりしているので良いデザインですが、専用の電源一体型フットコンが今では手に入らないとか。これは大きな-マイナスポイントです。ベルニナはいうに及ばず、JUKIでさえ、今でも古い機種用のフットコンが手に入るのに。ブラザーはそう言う点でも自分とは相いれません。

薄地に強く下針がついているとかで、興味をもちましたが、やはり薄地はあまり縫わないのでこの部分でも自分には向いていません。親和性が低いということ。

ペースセッターや垂直釜電子ミシン・コンパル(膝レバーコントローラーのついたものでデザイン良)も、とてもいいミシンだと思われ少し興味を持ちましたが、なぜか縁がないのです。
ちなみに小さいころから実家にあった足踏みミシンはブラザーです。今でも動きますが、自分のものではありません。家族でも人それぞれ違います。

そして近年ソフトウェア指向へと向いたブラザー。刺繍ミシンの種類も豊富でソフトも充実しているようですが、その刺繍デザインもハスクバーナと比べた場合あまり興味がわきませんし、そもそも刺繍ミシン自体、自分には必要ないのです。
機械は全て絶対的価値ではなく相対的価値なのです。だからいくらいいミシンでも自分に合わなければ意味がないのです。

ちなみに一時ブラザーのFAX電話機を使っていましたが、FAXについては何の不満もなく、デザインも白いシンプルなものでよかったです。
ブラザーが他の大手ミシンメーカーと大きく異なる点は、ミシンだけでなくプリンターやFAX、コピー機など他の製品も作っている事。総合メーカーとしてみた方がいいと思っています。

最近のブラザー家庭用ミシンは軽く、パワーも小さ目で、耐久性があまりないという話も目にします。実際どうかはわかりませんが、厚地を主に縫いたい方には向かないかもしれませんね。
刺繍をしたい人やヘビーな使い方をしない人に向いていると思います。デザイン的にいいものは結構あります。
なお、工業用ミシンでもブラザーはJUKIと並んでよく使われています。
下記、マーガレットハウエルのイギリスにあるシャツ工場でもミシンはブラザーです。工場と言っても日本や中国、アジアの縫製工場とはちょっと雰囲気が違いますね。



2014/05/08

ベルニナ伝道師 海外竜也さん

ベルニナが好きで、ベルニナの事をネットで調べていると、知らないうちによく目にするようになっていた「海外竜也」という名前。
最初、”うみそとたつや” と読むのかと思っていたら、”かいがい” さんとのこと。
あまりに特徴的なので、一度見たら忘れない名前です。 

リバティプリントを用いて一つ一つ手作りされた自身のwarp&woofというブランドを運営されていて、一部の女性に人気がある洋服を作られているようです。
またソーイングのワークショップを全国で開催されたり、NHKの「すてきにハンドメイド」という番組でも講師をされていたりするそうです。

海外さんはベルニナのミシンを愛用されているようで、ご自身の服作りはもちろんのこと、ワークショップやテレビでもベルニナミシンを使われています。そのためか、ベルニナのホームページにも海外さんのテレビ出演や雑誌掲載などの情報が紹介されています。

正直なところ、この方が作られている服やリバティプリントなどは、ガーリーテイストでファンシー過ぎて全く興味がないし、このような雰囲気の服の良さがよくわかりませんが、下記のベビーロックのインタビュービデオを見たところ、とても共感できる事ばかりでした。
今の時代、皆が見失いがちなとても重要な事を言われています。ビジネスコンセプトはとても素晴らしいものだと思いました。
https://www.youtube.com/watch?v=OmoZLb5T_wI

・服を年齢で切ってターゲット化して販売する日本のアパレル業界への疑問。
・大量生産のファッション産業への違和感  
など感じておられたため、
・多様性の時代における細分化された趣味嗜好に応える服。
・流行に左右されない、長期間にわたってワードローブを増やしていけるような服。
というコンセプトで自身のブランドを運営されているようです。

私も服装や衣料品については
 なぜ、半年・1年経った製品を安く売るのか。
 セール販売ありきで最初の値段を高めにつけるのか。
 安易にアウトレット品とするのか。スタイルをすぐに変えるのか。
 次の年に同じものを着ると何故古いという感覚を持たせてメディアとともに消費者をあおるのか。
 流行色というのを意図的に事業者側が設定するのか。
 人気があり需要のある商品を長年売り続けないのか。
というような疑問を常に持っていました。
だから気に入ったものはかなり長く着ます。流行を追う事はしないので、靴も10年以上、服でも10年以上着ているものがあります。

私は靴でも服でも気に入ったものはもう一度同じものを購入したいと思う事があります。でも年をまたいでしまうと同じものは二度と手に入りません。
だから自分でいずれ、そういう事業が出来ればいいなと考える事があります。


海外竜也さんが出演するNHK「すてきにハンドメイド」が5月に放送されるようです。
http://www.nhk.or.jp/kurashi/hand/
ご興味のある方は是非。
花柄チュニックを作るようですが、チュニックって何がいいのかよくわからないです。実際世の中の調査でもあまり男からは人気がないようです。
ただし、服なんて清潔で人に不快感を与えない限り、人がどう思うかより自分が着たいものを着るのが一番ですから、女性がチュニックを好きならそれでいいのでしょう。

2014/05/07

ベルニナキャンペーン

ベルニナはネット販売/掲載を禁止しているのか、実売価格を知るのが容易ではありませんでした。ちょっと前までは。

ただし去年スイスフランの為替が一定の金額に達するまでという期間限定で、割引価格で購入できるキャンペーンをやっていた。そしてベルニナジャパンのサイトにも定価と割引した価格が掲載されていました。
さらに2014年はスイス国交樹立150周年キャンペーンということで、2014年2月21日~8月20日まで20~25%の割引価格で販売されているようです。
 http://www.bernina.co.jp/default_detail-n471-i9799-sJP.html

とにかくベルニナ購入の壁は高価格の他に不透明性というのもあったのですが、このように少しずつオープンになっていくことによって、いつかはベルニナというファンも増えていくのではないかと思います。

現行の機種でいうと刺繍が要らない場合、3シリーズか5シリーズがいいと思っていたのですが、キャンペーン価格表を見る限り刺繍機がつくB560 やB580 よりも、その上の7シリーズの刺繍機なしB710の方が安いみたいです。
購入計画をたてるためにもこういう風に価格がオープンになるのは嬉しいものですね。

8月までのキャンペーン、ボーナスで買う人もいるでしょうし、“いつかはクラウン“  ではなく、  “いつかはベルニナ” 
いつかこれがしたい、これが欲しいっていうのがないのも寂しいので、ベルニナさんにはずっとブランド力のある憧れの存在でいてほしいものです。

2014/05/06

星に願いを、もしも新品ミシンを買えるなら・・・・・

♪When you wish upon a star ♪名曲「星に願いを」の冒頭部分。
私はこのuponという単語が好きである。シェークスピアの生地Stratford upon AvonやOnce upon a time in Americaなど、onではなくupon。アポン、日本語で書くとなんだか間抜けでいいイメージにはならない。
それはさておき、今回はもし自分が新品ミシンを買うなら、人にお勧めするならこのミシンの2つの観点で、今までいろいろ調べた中で興味を持ったミシンについて書いてみたい。

1.安価であるが耐久性があると思われる、シンガーモニカピクシー5710
頑丈で耐久性がある、この言葉に弱い私。
電子ミシンのモニカピクシー5700シリーズは長年その基本構造が変わっておらず余計な機能をそぎ落としたミシンで、2万円台半ばで買えるのに、フットコンが標準装備、モーターも大きめで80Wの消費電力です。アルミダイキャストのボディで重さがあり、安定しています。また飽きがこないシンプルなデザイン。ちょっとお金を出せば買えるのですが、自分の場合既にミシンが部屋に溢れかえっている状態だし、このミシンで使ってみたい機能もないので、これを買う事はないでしょう。
ただし、あまりお金を出したくないが、耐久性があってパワーがあるミシンが欲しいと言う人にすすめたいミシンです。
またジャノメJP510や710など評判のいいコンピューターミシンはというと、個人的にデザインがあまり好きではないので、あえてこれを選ぶことはないでしょうが、とりあえずそこそこの値段で性能も十分なコンピューターミシンが欲しいという方にはお勧めできる良いミシンだと思っています。

2.ボタンホールが秀逸、JUKIエクシードシリーズ HZL-F600JP
JUKIエクシードシリーズは万能ミシンというに相応しい、すべて事足りたミシンです。日本メーカーで初めてベルニナや工業用ミシンの特徴であるBOX送りを採用した家庭用ミシン。もちろんJUKIお得意の自動糸切付き。その中でも最上位F600JPは手元操作もできますが、フットコン標準装備、ワイドテーブルもあり、膝上げレバーもついて私の理想の形に非常に近いです。が、残念ながら水平釜です。モーターパワーももう少しあればという気もします。ただし、コストパフォーマンスを考えると、現状これ以上に優れた家庭用ミシンはあまりなく、多くの人にお勧めしたいミシンです。

3.半職業用? ジューキCKシリーズ
ジャノメCKシリーズは半職業用とも言われているミシンです。海外では確かMemory Craft6600。かつて多くの人を虜にしたメモリークラフトシリーズの後継機かと思われ、頑丈そうな雰囲気が漂います。
最上位1200は上送り押え付、でも上送りが邪魔そうなので1100がシンプルでいいかもしれません。ただしこれも水平釜。フリーアームがないうえ、職業用のシュプールやヌーベルに比べても大きく場所を取ります。
個人的にはデザインもやはりあんまり好きじゃないな という感覚。テーブルのサイズの関係でしょうが、右の変な出っ張りは嫌だし、なんでここ曲線、なんでこの色入れた、みたいなのがあってちょっと気になります。自分はそう思いますが、ジャノメ好きやパワーのあるミシンが欲しい人にはお勧めできる優れたミシンです。

4.メタルっぽい? ベルニナBシリーズ、300とか500
数字を使い果たしたためか、型番数字の前にBを入れ始めた私のアイドル、ベルニナさん。
ベルニナのB300系やB500系シリーズは最近の製品デザインの傾向からかブラック&シルバーのカラーリングへとシフトしたベルニナの最新シリーズです。
とてもいいと思いますが、デザイン的にはその前のオーロラやアクティバ、ヴィルティオーゾなんかの方が好きです。ベルニナちゃんたちの可愛さがなくなってしまった感じがするからです。自分の持っているベルニナちゃんに比べると操作性はやや上がっていると思いますが、基本性能の違いが良くわからないので買い替えたいとは思いません。
でもいいミシンであるのは間違いなく、少しお金に余裕がある人で1台いいミシンが欲しい人には是非にとお勧めしたいです。ちょっとしたテイスト変更があっても変わらずオシャレなベルニナさんです。

5.アーム長っ! エルナエクセレンス760
現在のエルナはジャノメの傘下ブランドです。そしてこのエクセレンス760、デザイン的には今のミシンでは一際輝いて見えます。
実際デパートのミシン売り場でやっていたワークショップで、昭和を生き抜いてきたご婦人方数名が使っているのをみかけましたが、ライトの点灯具合、大きさや形状、ネイビーブルーの艶など、完璧に近い外観はその能力を示すのに十分です。ジャノメCK同様大き目ですが、これなら威風堂々♪パーパー、パラパ、パッパッパ♪byエドワード・エルガー 置いておいても邪魔とは思わないでしょう。
音は静かで、厚地にも強く、操作性もよい。水平釜なのは好みではありませんが、それくらいはこのデザインなら受け入れます。懐もどうだと言わんばかりに広く、なおかつフリーアームにもなります。機能面でもデザイン面でもCKの懸念をすべて解消しています。そしてパワフル。内蔵上送りなど私の今持っているミシンにない特徴をもっているので、非常に魅力的に見えます。

※もう少しシンプルなエルナ・ロータスもこれと似たブルーのカラーで製造されていますが、日本では未発売です。このミシンも日本で発売してほしいです。
◆その他
ベルニナのB700とかハスクバーナのダイヤモンドなど、車買えそうな金額のミシンもありますが、絶対に宝の持ち腐れになり、投資に見合う見返りが得られそうにないので、要りません。刺繍に興味がないからです。自分に合わないもの、必要ないものを持つのは機械にも失礼だと思います。


♪星に願いを~~♪♪、ここからは勝手な想像ですが、

★すでに結構ミシンを持っている私に、空からお金が降ってきて、
 「どれでも好きなミシンを買いなさい」と言われたら、これにします。
エルナ・エクセレンス760

★ただし自腹となると、現実的に財布と相談するので、これになるでしょう。
JUKI エクシード HZL-F600JP


★ちなみに、人から 「新品を買うけど、どのミシンがいい?」と言われたら、その人の好みと予算によって、今回書いた機種のどれかをお勧めするでしょう。




2014/05/05

中古ミシン購入場所

私は中古ミシンの購入場所がもっとないかと思っていろいろ調べてみたが、日本に某Yオークションほど充実して安価で手に入れられるところはないという認識に至っています。
RやMなど他のオークションもたまーに掘り出し物があるにはありますが、それほど多くはありません
海外にも目を向ければebayにはたくさんのミシンが出ているが、送料が高いのと電圧の問題もありなかなか手がでません。

そして中古といえば電気製品などを置いてあるハードオフもいくつか見てみましたが、あるにはあるのですが、オークションに比べて高いです。機種も魅力的な掘り出し物的な名機は少ないようです。
なお、ネットで中古ミシンを整備して売っている店もあるようですが、オークションに比べてやや高めです。

となると労力と効率を考えると日本ではYオークションが中古ミシン購入には一番いいというのが私の結論です。ただしオークションでの購入は保証がない事が多いですし、多少のリスクはつきものなので、それを承知しておく必要があります。
実物を見てみたいと言う人、短期間でも保証がついたものが欲しい場合は、ミシン屋さんに下取りなどしたミシンがないか聞いてみるというのもいいでしょう。

私は蚤の市やガラクタ屋、古本屋などはその雰囲気も含めて好きで、掘り出し物に出会った時の喜びは何ともいえないものがあります。
予め売っているものがわかっている新品を置いている店とは買い物の楽しみ方が違うのです。フリーマーケットやHARD OFFとかもいいが、日本に定期的な蚤の市がなかなかないのが不満な今日この頃。アンティークっぽい雰囲気もあるマーケットが出来てほしいと思っている。

ちなみに英語で蚤の市はFlea Market。フリーマーケットのフリーはFree自由ではありません、Fleaはノミという意味です。
日本のフリーマーケットは一般の人が出展する不用品処分みたいな感じなので、私が考えているのとはややテイストが違います。アメリカには家の庭先で行うガレージセールというのもよくあるようで、これは結構掘り出し物に出会えるようです。

2014/05/04

新品と中古、ミシン選びの基準と使い続けるということ。

前回触れたTVショッピングのミシン、正直私は一回使ってみたい気がしている。ジャガーやシンガーの名前で売られているこれらのコンピューターミシン。特典としてワイドテーブルやケース、フットコンがついているものがある。そして縫い模様数も十分。押え圧調節はないが、ミシンの縫い目にそれほどこだわらず布を縫いたい場合であれば、こういうミシンで事足りるのかどうか見てみたいのです。

ミシンを初めて買った頃、布を縫っている分にはヤマザキミシンでも十分だと感じていたくらいだから、TVショッピングのミシンでもいいと思う可能性は十分にあったかもしれません。山崎ミシンもやや使いにくい部分はあったのですが、最初はただ縫えるというだけで満足だったのです。

その後、革を縫いたいと頑丈なミシンに目が向き始め、テレビショッピングの新品よりはるかに安くかつての高級ミシンの中古が買えることを知ってしまったので、もうテレビショッピングのミシンを買う事はなくなってしまいましたが、どれくらい違うのか見てみたい。本当に自分が使ってみないといいも悪いも、何とも言えないのです。

ちなみに、テレビショッピングに出ているようなミシンは出荷時の調整値にばらつきがあるようなので、良い機体に当たればいいようですが、外れのものになった場合すぐに壊れる事もあるとかで、その辺のリスクは承知しておくべきです。調整値のバラつきは山崎ミシンでも同じです。
同じ部品を使って同じ工程を経ても機械は最後に調整しないとバラつきがある。そのバラつきがないメーカーの製品が信頼を得て、いい商品だという評判を得られるのだと思います。

よく言われるいいミシンの基準は、重さが7~8kg以上、懐が広く、フットコントローラー付のもの。できれば、押え圧調節がある方がいい という具合。
テレビショッピングのミシンはフットコン付以外は当てはまりません。
今のミシンは一定以上でないとこの条件を満たしていませんが、昔のミシンは上記の条件を殆どのミシンでクリアしていました。
不要な機能や目先の便利さを求めてしまったために肝心な部分が省略されてしまったのです。

そんな事情からも、個人的には中古でもいいと言う人には昔の良質なミシンの中古をお勧めしたい。
ただし、新品がよくてそんなにミシンにお金を掛けられないという人には、比較的大き目で安定した電子ミシンがいいのではと思う。コンピューターミシンよりも作りがシンプルなので、耐久性もあるのではと思うからだ。

自分はミシンに限らずコレクターの傾向があるので、欲望を押えられずについつい買ってしまいますが、新品でも中古でもじっくり考えて買った1つのモノを使い続けるのがいいです。
機械というのはだんだんその人の使い方になじんでくるので、出来る限り使い続けるに越したことはありません。
本も同じものを何度も読み返すとそれが身についていくものですし、繰り返す事の重要性を今さらながら感じています。


(余談)
テレビショッピングでは、デニム10枚重ねなどの厚地と薄地を同じ針で縫っていますが、こういうのをテレビで放送してしまうと、同じサイズの針で何でも縫えると誤解を与えてしまうので、その辺も配慮して放送するべきだと思います。
あるテレビショッピングで、デニム13枚重ね→革→オーガンジーと続けて縫うシーンを撮っていましたが、生放送だからか革の部分で針が折れてミシンが止まっていました。
糸が切れたと言って、いきなり別の説明ビデオに切り替わってましたが、その裏では急いで針を替えて再度準備していたのは言うまでもありません。





2014/05/03

テレビショッピングのミシン、人に相談するということ。

ジャパネットやショップチャンネル、QVCなどのTVショッピングでもミシンを販売しています。
私もミシンを集め始める遥か前、TBSショッピングで売っていたシンガーのミシンを見て、これ欲しいな、なんて考えていたものである。大体出てくるのがデニム何枚縫えます!さらにオーガンジーみたいな薄い生地も縫えます。というような映像。そして、事務所所属のタレントと思わしきサクラが、“これ本当に縫いやすいです” “わたしみたいな初心者でもこんなのも作れちゃいました。”(個人の感想です。)みたいなのが次々流れてくる。

そしてミシンの情報を集めていると、多くのミシン愛好者はこういうものはすぐ壊れるから勧めない。ゴミ。お金をドブに捨てるようなもの。と書いている。
こんなにいろんな素晴らしいミシンに出会えた私ではありますが、人にそう言い切ることはできない。なぜなら実際に使っていないからである。また、上記のような熟練者の発言は、自分を高い位置に置き、他を否定することによって高い物を買った自己を肯定したいから生まれている場合もある。人のいう事をそのまま受け取るのも考え物。相談はしても選択は自身が行うべきです。

TVショッピングのミシンを問題なく使っています、という人もいる。いったい何が真実なのだろう。1万円くらいのミシンについては、あまりよくないんじゃないかと思っていたが、以前取り上げたIKEAのミシンは1万円以下。これについてはもしかしたら用途によっては十分使える物だとも思える。1万円のものでも“これでいい”と明言する人はそれを買えばいい。自分自身でそれを選んだのだから、実際買ってみてわかることもあるし、それが必要な人もいるはず。その人の用途にはそれでいい可能性もあるのです。

私の例を見ればわかるが、中古なら1万円以下でいいミシンが買える。ただし、保障のついた新品でないと、と思う人は多い。特に女性はそういう人が多いのではないかと思う。
基本的に古本やカメラ、フィギュアやおもちゃ、切手など収集する類のものは新品だけでは成立しない。そして、コレクターと言われる人は男に多く、そういう店に行くと男ばかり。
私も男だからちょっとコレクターの傾向があると思う。そして、何を買うにしても性能と価格を天秤にかけて判断するから、ミシンに関しては新品でなくて中古になる。
ミシン以外でも新品ということにはこだわらないものはあるし、比較的中古に抵抗がない。状態の良い中古が安く買えれば理想的ともいえる。
自分はこう思っているが、ミシンの購入相談を受けて中古をお勧めすることはしない。やはり新品がいいと思う人が多いから、基本的には新品でお勧めすることにしている。
中古機種をお勧めするのは、その人が中古でもいいと言った場合だけだ。

必要ない人、行きたくない人、やりたくない人に、絶対そうした方がいいというのは無駄である。はっきり言って大きなお世話。
相談した時、「せめてこれくらいお金を出さないといいものはない」と必ず自分の基準で答える人がいるが、こういうのも気を付けないといけない。あくまでその人の基準を話しているだけだから。

仕事をしたくない人、進学したくない人に無理にさせるのもしかり。本人にその気がないのに世の中の基準をあてはめて、自分の思うようにやらせようとしてもいい結果にはつながらないでしょう。
何事も責任は全て自分が取る必要があるから、決断は他の人に影響されたりしてはいけないし、他の人も無理強いはいけないのである。

相談されたら相手の立場にたったアドバイスが必要であるし、その人の話を聞いてあげるのがまず先決である。
安易にその人の選択を自分がしてしまわないこと。これが大事なのである。
お金の使い方、時間の使い方は人それぞれに権利がある。これは常に頭に置いておかないといけない。
また一方で相談する側も相手の時間をとっていることを肝に銘じなければならないと思うし、相談する人も予め選ぶべきである。

2014/05/01

改革、未来のミシン業界のために

何かと問題のある業界構造については前回述べました。そして、私が考えるミシン業界に必要な改革は以下2点です。

販売チャネルの見直しとオープンネス
イマイチわからないので、あまり関わりたくない、何かしらミシンを既に買った既存顧客層でもそう感じています。そのためには抜本的な販売方法や販売場所の変更をして、イメージを変えないといけません。そして、販売店もメーカーからの規制が多いので扱いにくい製品になっています。本当の意味で販売店とメーカーのつながりと信頼感がない気がします。それは消費者にも伝わります。この類の商品で、ネットで価格を表示してはいけない、価格の問い合わせが必要なんてもの他にはそうありません。でもちょっと調べればすぐわかります。
この時代隠してもすぐばれます。スノーデンみたいな人が国家機密も暴いていく時代です。国家に比べればミシン業界なんてほんとに小さいのです。無駄な秘密です。言論を取り締まって成功した時代ではもうないのです。
その製品の善し悪しは別にして、オープンネスや信頼感という点で成功したのが山崎範男ミシンだと私は思っています。

新規顧客層の開拓
入園準備に必要な主婦や、趣味で楽しむお金のある年配女性以外の新規顧客層の開拓。
独身女性や男の顧客を獲得すること。
昨今、晩婚化が進んでいますし子供がいない女性も昔に比べて多いです。男も独身の人が増えています。そういう人はちょっとした服の繕いやサイズ直しをしたいとき、同居もしていないので母親や恋人、配偶者にしてもらえません。そんな時ミシンがあれば便利なのは私が実感していることです。
なお、昔に比べて安価でいい衣料品が手に入るようになっているので、服を作るという用途で需要を大きく伸ばすのは難しいです。だからリメイクか補修に狙いを定める方が賢明です。今や一般の人が生地を買うと服を買うより高い事もあります。服は買った方が安い、この認識を変える事は今や難しいでしょう。

機械なので男の方が慣れたら使うのはうまいと思います。車の運転と一緒です。
アクセル踏んで手で操作するというのは同じです。
そして、これはどの業界にも言えますが、男の顧客は女性のように一度決めた店を変えません。女性は美容室でもころころ変えますが、男は同じところで長年切ってもらいます。服のブランドも女性はあらゆる店に行って買いますが、男は学生時代から変わらず同じ店で買っている人もよくいます。一度つかんでしまえば継続的な売り上げが見込めるのです。
メーカーは一時的な売り上げだけでなく、長期的な顧客の維持にも目を向けるべきなのです。

カメラなんてのもその最たる例で、一眼レフカメラは豊富なレンズを用意して買い足したい衝動に顧客を誘導します。そして同じメーカーのものでないとレンズは合わないので、買ったレンズを使い続けたいなら次に買うときも同じメーカーのカメラを買う事になります。
ミシンも容易に規格を変えてはいけないのです。フットコンや押えも便利なものを用意し同じメーカーのものであれば使い続けられるようにしておかないといけません。押えについては比較的規格が変わっていませんが、フットコンは結構変更されています。変更した場合はアダプターなどを作って今まで使っていたものも使えるようにしてほしいものです。

また、男の使用者が増えることはこの業界の一番の問題をも解決します。
それは製造者がほぼその製品を使わないということです。
製造者や設計者が手芸・キルト、ミシンを取り巻く環境に疎いのです。使うのは女性、しかし業界を仕切るのは男。作ったり修理するのはいいが、実際に使わない。機械的な部分と使用者の感覚が切り離されています。普段使わないから本当に何が必要でどんなものがいいのか、メーカーがあまり理解していないのです。それも男が普通にこれを使う事になれば、解決されていくと思います。

ほとんどの消費者は業界の販売方法に信頼を置いていない。そしてそこまでその商品をあえて欲しいと思わないし、関わりたいと思わない。生きていく上でミシンの占める部分はごく一部。他の業界や製品の事も視野に入れるべきで、業界内で横の事だけ気にして、製造・営業していても頭打ちである。
消費者にとって本当に必要な機能面での発展性はかなり低い。すでに何十年も前に実用部分の革新・発展は終わっている。であれば、もっと消費者の信頼を得るしかない。ただし、信頼という部分ではもう何十年と改善されていない。変わらなければあまり未来は明るくないのではと思います。

海外でもメーカーとしての役目を終え、ブランド名しか残っていないミシンメーカーがたくさんあります。残念なことです。日本のミシンメーカーがこのようにならないことを祈ります。