2014/06/28

ミシンの進化って????

私はシンガー15種ミシンを手に入れて、ミシンって70年から80年ちかく、ほとんど進化していないのではないかと感じました。

コンピューターミシンがメインの現代でも、使う機能の殆どが直線縫い。そして80年程前のミシンでも十分な機能がついていて、縫い目が綺麗。厚地も現行ミシンよりも対応している。
今は押え圧調節がないミシンも結構あるなか、この時代のミシンはほぼ例外なく押え圧調節がついている。
糸調節もできて、送り歯ドロップが出来る。
ボタンホールもアタッチメントが80年くらい前からある。
モーター駆動の電動ミシンが100年以上前からあるとなると、ミシンの根幹部分はほぼ変化がないことになります。

さらに今のミシンは部品の耐久性がなく、壊れやすいとなると、この何十年の進化の過程って本当に必要なものなのかという気がしてくるのです。

もちろん刺繍縫いやコンピューター制御機能などはその進歩の特徴的な部分ですが、多くの人にとって必要かどうかはわかりません。模様縫いをする場合も、手縫いでもできますし、フリーモーション状態にすれば上手い人ならちょっとした刺繍縫いはできます。

コンピューターで全て制御してしまうものに慣れると、いざという時に何もできません。コンピューターはあくまで人間の代わりでしかないのです。
そういうミシンは機嫌を損ねるとうんともすんとも動かない。そして動かない理由が何かわからず自分では解決できない。複雑になりすぎて、普通の人は対処できないのです。
かつてのミシンのようにメンテナンスさえすれば、何代も引き継いでいけるという機械ではなく、数年で買い替えるスマホや携帯・PCのようなデジタル家電みたいになってきています。
私はデジタル家電の耐久性のなさや、頻繁に買い替える風潮には疑問がありますし、そういうものよりも多少不便でも最低限の機能を備えて、飽きのこない、古くならない考えられたデザインの長持ちする機械が好きです。

ミシンの本当のニーズはこういう長持ちする頑丈な直線縫いが綺麗なミシンという事になるのではないかと思います。いまだに職業用を欲しがる人が多い事からもそれは証明されています
模様縫いも最初は面白くて使うかもしれませんが、すぐに使わなくなる、
きらびやかな外観と、これでもかと言わんばかりの機能説明、便利で何でもできるスーパーハイテク刺繍ミシンに心奪われ、大枚はたいて買っても、直線縫いや実用縫い以外ほとんど使っていない人も少なからずいるようです。

こんな事を思うと、改めてミシンや機械の進化・発展について考えさせられるのです。
進化は必ずしも皆に必要なものではなく、一部の人のためになされていて、時には使い手ではなく、売り手のための進化である事も多いのだと感じます。

そして、長年同じものを使う人が切り捨てられていくのは何とも居心地が悪いです。
エコなんて言って体裁だけはよくしている企業が、どんどん資源を消費し、大量生産していくなんて本当は矛盾しています。何でも経済発展が優先される世の中だからしょうがないのでしょうか。

2 件のコメント :

  1. はじめまして。
    ミシンの購入をしたいと思い当たり、その下調べ中にこのサイトに辿り着きました。
    ミシンの情報について収集するはずが、後半の主張にあまりにも共感してしまい
    それどころではなくなってしまっています(笑)
    不況の今、ミシン業界に限らずどこの企業も進化が飽和状態となっており、
    方向性が定まっていません。
    限られた資金、限られた技術、限られたニーズの中で儲けを出すには、
    不要な機能の押し売りをせざるを得ないのかもしれませんね。
    進化と退化は紙一重。
    見る側の立ち位置によって騙し絵のように変わります。
    何事も完璧すぎてはいけないように、便利すぎることは人類にとってよくないと私は思います。

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  2. コメントを頂き、ありがとうございます。
    おっしゃるとおり、どの業界も今は行き詰っていますね。本当に必要なものなんて、
    日々の生活に必要な電気や水などのエネルギー・インフラ、食料、暑さ寒さを
    しのげる居住空間を除けば殆どありません。

    その居住空間も日本では今や空き家がふえているのに、どんどん新しいマンションが
    建設されています。今ある建物を再生・再利用すればもう新しい建物は必要ないはず
    ですが、それに皆気づくと建設会社や不動産会社が儲からないので、建設を繰り返す
    事により無理にニーズを喚起させていると感じます。
    直せばまだ使えるが、経済的にそれは得策ではないので、新しいものに目をむけさせる。

    食料も期限切れを理由に大量に廃棄されています。
    衣料品についても今持っているものを補修して長く使い、本当に着られなくなって
    から新しい物を買うなり、作るなりすればこれほど多くのものは要りません。
    無理に流行を作りだし、古いデザインで着られないと感じさることにより、新しい
    物を買わせるような仕組みです。

    人間は”飽きる”という性質を持っていて、生活に新たなうるおいを与えるため
    にも新しいものはある程度は必要ですが、、いつからか必要以上のものが作られ、
    売られ、消費され、すぐに使われなくなっていると思います。こういう無駄を
    なくせば、生産や輸送のコストが大幅に減るはずですから、電力や石油などの
    エネルギー問題はすぐに解決されるでしょう。

    無駄をなくしてしまうと経済活動は成り立たないのかもしれませんが、いかんせん
    無駄が多すぎる気がします。
    余剰な経済活動のために、多くの人が時間を犠牲にし、神経をすり減らし、不要な
    労力を強いられているようです。今の労働時間の半分でも世の中は十分に
    成り立っていくと思います。
    揚げ足取りばかりの国会や議会、生産的でない会議や会合、長時間通勤なども
    無駄の一部ですが、それよりも廃棄され、ほぼ使われることのないもののために
    行われる過剰な生産活動は無駄の最たるものだという気がしてなりません。

    生活に必要なものに加えて、趣味や遊びの部分は必要ですが、遊びも商業・消費
    主義に先導された画一的なものになってきています。スマホやゲームなんかも商売
    ありきです。それに乗せられているだけで、それがない時代も十分人間は楽しく
    生活していたはずです。ただし、もうないと生きていけないという中毒状態に
    多くの人が追い込まれています。

    テレビ番組や映画、音楽、小説などもネタが出尽くされた感があるので、最近は
    何を見ても新鮮さがありませんし、作品にパワーが感じられません。これに
    ついても、上記衣食住に関することと同様必要でないものが生産され続けています。

    ただし、消費者の多くは疲弊し、消費することそのものに飽きてきているので、
    企業の業績が芳しくないのだと思います。閉塞感があるようにも思えますが、
    ある意味良い方向に向かっていると言えるかもしれませんね。

    本当に必要な事に時間と労力が割かれ、皆が楽しく生きていけるような社会に
    なって行けばいいと思いますね。

    良いコメントを書いていただいたので、思わず長々と書いてしまいましたが、
    ミシンもベーシックで縫う力のある、壊れにくいものが一番いいと思います。
    その上で使っていて愛着のわく長く使いたいと思えるものを選んでください。

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