2014/07/26

出会いと別れ。ひとまずの終わり。

始めてのミシンが家に来てからはや1年半。
多くのミシンが我が家にホームステイにやってきてくれました。本当にいい出会いがたくさんありました。別の場所へ巣立っていったものもありますが、まだここで生活しているモノもあります。どちらかと言えばここでじっとしている事が多いです。とても愛着があるものですが、いつまでも私の元で時間を持て余しておくのは勿体ない事です。

私としては、ミシンを皆さんに使っていただく場が持てないものかと考えています。
いいものは皆で共有すべきだと思うからです。

誰もが気軽に楽しく使える場所。
近い将来にそんな場所をつくれればと思っています。

その時がくれば、また続くかもしれませんが、
ひとまず、私のミシンのハナシは終わりです。

ありがとうございます。

2014/07/24

男がミシンを使うということ。

願わくば、男の人にもっとミシンを使ってほしいです。
機械もの、車と同じくモーターで動くものなのだから男もきっと好きなはす。昔からミシンは主婦や女がするものという固定観念で見向きもしない傾向がありますが、やったらはまる人は多いと思います。テーラーやミシン屋はほとんど男です。ちなみに、某掲示板のミシン関連スレッドで発言している人って、男が多いような気がします。

そして、その人たちがもっと外に向けて発信したり、男向けのパターンブックが増えたり、手芸屋や生地屋でも男にも対応した店が出来てくればいいと思っています。生地としてはややハードなもの、革とかデニムや厚地を扱って、花柄とか薄地とかは少ない感じで。ちょうど東急ハンズと手芸屋の中間くらい。ミシンや手芸的な事をするのに男だと何となく気恥ずかしいとう風潮がなくなればいいと思います。私はまだやったことがありませんが、編み物もしかりです。フィンランドでは男も女も関係なく編み物をするそうです。

これは料理にも言えます。料理のプロは男が多いです。最近は男向けの料理教室なんかもありますし、弁当を自分でつくる男も多いとか。結局、固定観念を外してしまえば男も女も関係ない。女だって車好き、格闘技好きがいますし、トラックやバイクの運転が好きな人もいます。自分が気になってやりたい事をやればいいのだと思います。

食べ物だってそうです。男の甘い物好きも最近は人に言えるようになってきましたが、以前はそうではありませんでした。女だって吉野家やかつ丼などがっつり系が好きな人がいるはず。ホルモン食べてビール飲んでというのは女らしくないとか変です。女性しかいないカフェ、食べ物屋なんて欧米の国に行けばほぼありません。宗教的に男女分けられているアラブの国は仕方がないですが、日本はそういう制約がない国です。女しかいないピンクの内装のクリーンな店って、自由になれない熱帯魚が泳いでいる水槽みたいです。

女弁護士、女医、女教師、女社長いちいち職業に女とかつけるのは日本の嫌な文化です。看護婦や保母が、最近は看護士、保育士になったのは良い変化だと思います。
年齢性別関係なくやりたいことをやれる、それを人にも言える社会になってほしいと思っています。

男もすなる日記というものを女もしてみむとするなり。『土佐日記』
この時代からあんまり変わっていないのかな~。

2014/07/22

来るべき場所に来る、あるべき場所にある。

多くのミシンを買って使ってきましたが、人が名機というものの自分には合わない、それほど魅力を感じないものがある事がはっきりわかりました。

たとえば、ジャノメ・センサークラフトはとても素晴らしい製品です。ただし、自分には何となく合っていないような気がします。本当にいいミシンだと思うのですが、あまり志向があっていない。水平釜はあまり好きではないし、ボタンやフットコンも体に何となく合っていないのです。
またジャノメ815やHL2-350 もいいミシンではありますが、自分には合っていないような気がします。

ジャノメの中では唯一Two in Oneが好きです。このミシンは他のメーカーではありえない良さを持っているからというのもありますが、自分の好みの垂直釜であり、静かな駆動音で滑らかな動きをする使いやすいミシンだからです。糸通しの仕方も私が買った他のジャノメミシンよりも好きですし、糸調節もしやすいのです。
これがコンビになると、同じロック付のデュアル機能を持っていても、水平釜なので、あまり好きにはなれなかったと思います。
そして、全体を通してみるとジャノメは何となく自分には合っていないのではないかと思う事があります。それは今やジャノメミシンのほとんどが水平釜だという事からも見て取れます。

ハスクバーナ系ミシンもデザイン的には自分の中で一番になったりするのですが、全幅の信頼をおけるかというとそうではない気がします。それは私が刺繍や模様縫いよりも、革を縫ったりしたいし、糸締まりの良いものが好きだからだと思います。やはり相性の問題があるのかなと。
実際に新品を買って使えばもっと安定しているでしょうが、刺繍やキルトをするなんてことにならなければ、今後もハスクバーナの新品や新古品などを買うことはないと思います。
ハスクバーナとベルニナ両方を持っている人でも、刺繍以外のソーイングにハスクバーナばかりを使っている人もいるようでしたから、やはり機械ってどれがいいかは相性の問題だと思います。

そういう点でベルニナが自分には一番合っているのだと思いました。いつまでも変わらず垂直釜ミシンを作っているところも好きですし、フットコンの操作感も体にあっていて、糸通しの仕方などもわかりやすく、愛情もずいぶん注いでいるのだと思います。アタッチメントも自分が欲しいなと思うものがそろっています。
なにより、単純にベルニナが好きなのでしょう。

その次はやはりJUKIです。SPURHZL-7800など糸切が付いているミシンの性能が素晴らしく、デザインも青や紺系のものが多く、自分の好みに合っているからです。
シンガーのヴィンテージはすでに殿堂入り、これらと同列に比較するものではないです。

こういうのは本当に相性の問題で、ジャノメが一番合う人は多数いると思いますし、自分がブラザーを持っていないのも単純に相性の問題だと思うのは以前書いた通りです。
そしてこれはまさに人との出会いと一緒で、合う合わないの問題、どのミシン(人)にもいい部分があります。ただし、自分と合うかどうかそれだけなのです。

古くて頑丈なものがいいという人、シンプルな動きしかしないものがいいと思う人もいれば、何でも代わりにやってくれる万能コンピューターミシンが向いた人もいます。それは高価で高性能なものであればいいというものではないです。
誰にもその人に本当に合うミシンはわかりません、アドバイスは出来てもわかるのはその人だけです。
その人に合ったものがどこからかやってきて、道の途中で出会うようになっているんだと思います。ミシンに限りませんが、多くの人がいい出会いに恵まれることを願うばかりです。

(余談)
「男ベルニナ、女ハスクバーナ」と、あるミシン屋さんが言っていたそうです。
私もそれには同意できる部分があります。ハスクバーナの方が音も針動作も全体的に軽やかで女性の身体の動きに向いているのではと思います。
ただし、これは男でも女でも人によって体のつくりや動作や好みが違うので、単純に男女で分けられません。ただの傾向としての話です。

2014/07/21

Two in One の使い心地と侮れない実力

このミシンが発売された当時は家庭用ロックミシンが今ほど出回っていなかったので、説明書にも家庭用ミシンと「工業用ロックミシン」が一つになったと書かれています。
2本でも工業用という触れ込み。今や5本糸まである時代ですが、この10数年でロックミシンは4本糸差動送りが主流になりました、本縫いや家庭用ミシンなんかよりは格段に進化していると言えるでしょう。
今はロックで2本と言えば、何となく物足りない気がしてしまいますが、端かがりという目的は十分に請け負ってくれます。
ロックの縫い目はこんな感じです.。
このミシンは家庭用の普通の70W モーターだから、ロックにしたらそれ程スピードは出ないのではと思っていましたが、十分なスピードで布を切りながらかがってくれます。
音も今のプラスチックボディのロックミシンに比べて静かです。

いっぽうジグザグミシンの縫い性能ですが、これが企画ミシンと侮るなかれ、単体としてみても安定した運針ときれいな縫い目、さらに思いのほか静かな運転音。
同じジャノメ製電動・電子ミシンの、HL2-350やエクセル815に比べても発売年度が後のためか、かなり静かな感じがします。これがミシンの発展のひとつなのでしょうか。

こちらが家庭用ジグザグミシン側の縫い目。3重縫いも綺麗にできます。
右が普通の直線、真ん中は3重縫い
垂直釜で縫い目も綺麗、ロックミシンがついて、ボタンホールが出来て、フリーアームにもなるし、押え圧調節もある。
普通のミシンとロックミシン2台置くスペースがない人には、これほど要望に応えてくれるミシンはありません。くわえて置く場所はあろうとも、1台で何とかしたいと言う人にもお勧めです。




クルリと回す時、コードにも気を使わないといけないので、やや面倒に思う人もいるでしょうが、慣れてコツをつかめばなんてことはありません。

ニット縫いをしないならこのロックミシンで十分です。
コンピューターミシンに比べるとステッチの種類は少なく、ハトメボタンホールや文字縫いは出来ず、模様縫いも殆どありません。電動のため、針停止位置も指定はできませんし、スピードもミシン本体での調節と制御はできないです。もちろん自動糸切なんてものもありません。

だからってなんだっていうのでしょうか。

そんなものがなくても工夫すれば十二分の働きをしてくれる機械です。このミシンも自分でオイルを注すよう説明書にも記載があります。可愛がってやればやる程、自分の右腕となり、役割をはたしてくれるのです。

これ以上何を望めというのでしょうか。

なによりこのTwo in One 、予想以上の操作のしやすさと使いやすさを持っているのです。傑作といえるミシンです。

2014/07/20

唯一無二。洋裁ミシンの傑作。購入ミシンNO.22 JANOME New Home Two in One DX 

2つの顔を持つと言えばローマ神話の神ヤヌス。
数十年前というか、このミシンが販売されていた当時、流行ったドラマ・ヤヌスの鏡。
昼と夜とで別の顔をもつという女子高生が主人公。昼は優等生、夜は不良少女となり悪事を繰り返す。今ではあまり見られない古典的な設定とストーリー。

そして、2つの顔を持つミシンがこのジャノメNew Home Two in One。

表から見ると普通の電動ジグザグミシン。そしてレバーを捻り、裏を返すと2本糸のロックミシンが顔をのぞかせる。

くるくる回るのも昔のドラマのオープニング映像ではよくあった。おそらくターンする丸い台の上に乗った俳優を、下でスタッフが一生懸命に手で回していたはずである。何ともアナログな苦労が報われていた時代の話。
とにもかくにも、このミシンもレバーを持って手で回せばロックになり、ジグザグミシンに戻りとなるのである。

こんなミシン、他にはありません。少なくとも私はこれ以外に見た事がありません。技術的な問題で日本でしか作れなかったことや、コストの問題で、今はもうこの形のミシンは姿を消しました。ジャノメのミシンも殆ど台湾で製造されている今、これを作れる技術者がいないそうです。

このシリーズは、Two in Oneの他にも、Combi(コンビ)という名前でも販売されていました。販売店用と直営店用で名前が違ったとか。とはいうものの、コンビは殆どが水平釜のものです。筐体デザインもコンパクトで色もパステルなどの軽い印象。

私が買ったTwo in Oneは垂直釜です。


その点も私の好みにぴったりですが、色もベージュと黒。頑丈で頼りがいのある見た目です。
Two in One は直営向けではないので、ジャノメではなく、ジャノメが買収したアメリカのミシンメーカーNew Home のブランド名で販売されていたようです。ネーミングやモデル名のややこしさは残念ながら今と変わりありませんね。

ジャノメと言えば、私が持っているエクセル815では、直線を選択したら、針板の穴が直線用に小さくなる機構や、刺繍機がなくても刺繍が出来るという謳い文句のセシオなど、ジャノメしか作れないミシンが多数あります。
コンビ・Two in Oneシリーズも今後なかなか出てこないようなミシンで、ジャノメの実力を感じさせます。

デザイン的には好きではなくても、つい欲しくなるミシンが多いのです。
このTwo in One はデザインも結構好きですが。


2014/07/18

パワーのわりに送り力・貫通力がないLOGICAはん

LOGICAの音がかなり大きい事は既に書きましたが、モーターの大きさを活かしきれていないのか、このミシンはあまり貫通力がないようです。

貫通力をチェックするために革を2枚重ねで縫ってみましたが、なんと、その電力の大きさのわりに、、、、ちゃんと縫えませんでした。

針は貫通せず、送り力がイマイチなのか、革を送らず詰まってしまいます。
ウーン、ウーンとかなり大きな音がするのに、全然ダメです。これはどうしたものでしょうか。
オブジェとしては最高ですが、実機としては期待はずれです。

この革の2枚重ね、ベルニナや職業用SPURはもちろんのこと、JUKI HZL-7800、エレクトロラックス990、ジャノメHL2-350、シンガー15-91なども問題なく縫う厚さのものです。

カッコばっかり!! て言われてしまいそうなミシンです。
まあオブジェとしては最高なので、それでいいですが。

2014/07/16

LOGICAの兄弟分Sears Sensor Sew 100とNECCHI, JAGUAR, KENMORE

NECCHI LOGICA591について、前回・前々回と書きましたが、このミシン、アメリカのSearsというデパートのオリジナルブランドKenmoreのSensor Sew One Hundred としても販売されていたようで、こちらの方が販売数も多いのか、比較的手に入れやすいと思います。

私はロゴ文字の綺麗さや全体のバランスを考えると、Sensor SewよりもこのNECCHIオリジナルモデルのデザインが好きです。

私の買ったものは説明書がついていなかったので、Sensor Sewの説明書を手に入れてそれを参照しています。表紙のイラストもNECCHI LogicaとSensor Sewは同じもので、イタリア感満載、ソフィアローレンの映画の看板のようにも見えます。押し出しが強すぎる~~ 顔が濃くて、勢いありすぎるこの方々をご堪能ください。

ジャガーは、日本でロジカを販売していた会社ですが、VELVET MT-303という職業用ミシンでもこれと似たイラストの説明書がついていたようです。やはりジャガーとNECCHIは親近性があるのですかね。大阪とイタリア、濃いー土壌は一緒です。
また、ジャガーのヒット商品Jaguar MateはかつてKenmoreブランドにてアメリカで販売されていたようです。ここもコラボレーションしているので、NECCHI, Jaguar ,Kenmoreトライアングルといったところでしょうか。

外観だけではないNECCHI LOGICAの驚くべきユニークポイント

このミシン、フットコントローラーも変わった仕組みになっています。

一見何の変哲もないコントローラー、実は普通のものと違って手前を踏むと動くのです。常識を裏切る構造です。車のように手前でアクセルを踏み込んでいく形なのです。
基本的にミシンのフットコンの奥を徐々に踏んでスピードを上げていきますが、これは逆。
奥を踏んでも動かないので、最初、フットが固まっているのだと勘違いしました。ちなみにフットコンは日本製です。

さらにボビンケースが特殊。垂直釜とは言い難いが水平釜でもない。視線にはいるくらいに斜め上を向いているのです。

垂直釜の場合、ボビンが向こう側に向いて入れるので、手前からはどれくらい糸があるかは見えませんが、これは手前に向けて透明プラスチックのボビンを入れるので、水平釜と同じように糸の残量が見えます。
ボビンの回る方向は反時計まわりで普通のものとが逆方向です。

はずみ車はここ。針の真上あたりにあります。筐体やパワーの割に小ぶりです。



送りは最大6mm ふり幅は最大8㎜です。
送り歯ダウン、押え圧調節、糸調子ダイヤル、2本針使用のための糸たてなど必要な機能は揃っています。

そしてこの変わった形のミシン、どうやって持ち上げるのかと思っていましたが、ここにハンドルがあります。使わない時は奥に収納できるのですっきりしています。

さらにさらに、このミシン、想像もしていませんでしたが、驚きの仕掛けがあります。
それは、ここ。

良く見ると勘のいい人やミシンに詳しい人は気づくと思いますが、針板を回転できるようになっています。
直線用の針板と通常のジグザグ針板が一体となっているので、手前左の白いレバーを捻って、クルリと回せば直線・ジグザグ用と簡単に切替できるようになっているのです。


イチイチ針板をオプションで用意しなくてもいいのです!! 以前、ジャノメの815の紹介で直線時針板の穴がふさがって小さくなると書きましたが、こちらはそれよりも完璧な直線針板形状になっていますので、ジャノメのものよりいいです。
なんて便利な機能を入れているのだと感心しました。そんなに難しい構造ではないのになぜ今のミシンではこの機構がないのでしょう。
特許をとっているのかもしれませんが、特許料を払ってもこの機構を採用したミシンが出てきてほしいです。

このNECCHIのミシンは、デザイン的にも機能的にも比べるべきミシンが見当たりません。究極だと感じるのはユニークな外観だけではなかったのです。
嬉しい驚きをいくつも持った、エバーグリーンのミシンです。

2014/07/14

数十年前の近未来。 購入ミシンNO21:NECCHI LOGICA 591

かなり前に究極のデザインミシンという投稿で触れた、NECCHIのLOGICAというミシン、ついに私の手元にやってきました。

イタリア・プロダクトデザイン界の巨匠、ジウジアーロがデザインしたミシンとして唯一無二の外観を持つこのミシン。とても今の感覚では生まれる事のない雰囲気が漂います。80年代から未来を見た時にこういうデザインが想定されたのではないかと。今や冷蔵庫や洗濯機まで家電とつくものは何でもコンピューター制御された製品がありますが、これほどデジタル家電がはびこっている現在ではこのようなデザインは思いつきません。スターウォーズの時代の未来志向・宇宙志向のデザインではないかと思うのです。


このミシン製造元はイタリアのNECCHI社ですが、日本のジャガーでもロジカ591として販売されていたようです。

購入したLOGICAはボビン挿入部カバーのヒンジが片方外れていたり、ディスプレイの数字表記で1つだけドット抜けしていていたりしますが、針は動きます。

私が買ったのは北米向けの製品なので、110/120V仕様ですが、1.3Aもあります。
ということはアメリカで使うと消費電力140-150Wくらいあるのではないかと思います。日本の電源は100V なので、そのまま使うとこれほどはパワーが出ないと思いますが、今まで使ったどの家庭用ミシンよりも大きな消費電力で、スピードも速いような気がします。
スピードは職業用ミシン並みではないかと感じます。ただし、音はかなりうるさいです。


また、電源をいれていると、駆動していない時もウーンとやや音がしています。どうやらこれはファンの音のようです。基板の熱を冷ますために、電源を入れている時は常にファンが回っているとのこと。
機能面の詳細は次回にするとして、今回は最後にロジカの外観を写真で紹介したいと思います。どの角度から見ても、ミシンとしての常識を裏切る形になっています。






2014/07/13

家庭用ミシンで工業用ミシン糸を使うには

唐突だが、私はエッフェル塔が好きである。また、それを模して作ったと言われる東京タワーも甲乙つけがたいくらいの存在だ。東京タワーは赤いと言う点でエッフェル塔にも負けていないと思っている。
石造りの建物と歴史が作り出す、くすんだパリの風景にはエッフェル塔の色がよく似合う。一方、東京は新しいものがどんどん建てられて、蛍光色が目立つ明るい街。煌びやかな光の洪水の中では、赤色がいい。日の丸、サンライズの国には赤しかない。

東京タワーは好きなので何度か行っているが、電球付のプラモデルを買って作ってみたり、小さなプラスチックの置物も買い、東京タワー型のペットボトルの水も手に入れ、東京タワーのガムテープまで買う始末。

エッフェル塔はパリに行った時、何度か下までは行ったのだが、まだ上った事がない。ただし、エッフェル塔が好きだと言ったら、人からこんな小さな置物をもらった。


電車の中で売りに来るピンバッチも、普通の人は買わないものだが思わず買った。そして最近、近所の100円ショップでエッフェル塔型のピンを見つけた。
パリにあるデパートの香水屋で、エッフェル塔型の瓶に入った香水をお土産に買った事があったが、その瓶ともあまり変わらないものが、100円で売っている。
これもしかしたら、あれに使えるのではと、本来の製造意図とは別の目的でそのエッフェル塔の瓶を購入。

その目的とは工業用糸駒の糸立てなのでした。

ソーイングをしていると、糸代も馬鹿にならないくらいになってきます。小物やバッグ作り、補修をしているくらいならまだしも、パンツやシャツなど服をつくるようになると、けっこう糸も必要になってきます。失敗なんかすると尚更、糸がどんどんなくなります。

もうちょっとで終わりなのに、”あー、もう糸が殆ど残っていない。” この色の糸もう持ってなかったよなーなんてなると、作業が先送りになったりします。

自分の場合、最も良く使うのが生成り。白はあんまり好きではないので、薄い色の場合は殆どが生成りの糸で済ませます。
大手手芸店で3000m巻の60号スパン糸が400円くらいで売っているのをたまたま発見。これかなり安いなーと思い迷わず購入。

職業用ミシンであれば、糸立てに工業用糸を想定した糸駒ホルダーと糸案内があるので問題なく使えるが、家庭用ミシンで使いたい場合、ミシンの後ろに置く糸立てが必要になります。
市販で1000円~2000円くらいで売っています。こんな感じ

見てみるとそんな複雑なつくりでないし、なんか代わりになるものがないかと考えてしまいました。
糸駒をたてられて上方に糸を通す所があればいい感じなので、糸立てにエッフェル塔瓶が使えるのではと思ったのです。

早速買ってきたエッフェル瓶に、糸駒をさしてみるとピッタリして安定している。
ただし、ミシンの背面にクリップをつけてその穴を通したものの、うまく糸が抜けていかない。
家庭用ミシンの上面あたりでは、まだ高さが足りないのか、糸駒から斜めに糸を抜く形になり、引っかかったり、糸立てのエッフェルさんが倒れそうになったり、ちゃんと糸が抜けていかないようでした。

工業用糸駒は、真上に近い高い場所を通して引っ張る形でないと、糸が抜けていかないのです。
だから、職業用やロックミシンは上に糸案内棒を伸ばし、そこを通して糸が抜けるようになっています。
ちなみに職業用ミシン・シュプールは、糸駒一番上から糸案内の穴までの高さは18cmです。糸駒をたてて、上部からこれくらい空間があれば、糸が抜けていくということです。


高い位置に糸案内の穴を設けるにはどうしたものかと、思案を巡らせる。
そこでエッフェル塔の瓶には穴が開いているので、長い菜箸を入れる事を思いつく。
エッフェル塔の中心に箸を入れ、クリップで上に糸案内の穴を作り、糸駒を注してやってみたのですが、ツルを巻く植物みたいに、箸の周りを糸がぐるぐる回ってのぼっていくため、これではダメだとわかる。

そこで東京タワーの登場である。
東京タワーに糸駒を立てて、その横にエッフェル塔瓶と箸で作った糸案内棒。こうすると、なんと、スルスルと問題なく糸が抜けていく。
これで家庭用ミシンでも問題なく、工業用の糸を使えるようになりました。

その後、色々と試してみると、エッフェル瓶に糸駒をさすだけでも、真上に近い場所に糸案内の穴があれば、箸を立てなくても間に合う事を発見。クリップなどを使ってやった例をいくつか見せるとこんな感じ。

リッカーRCM-1230  持ち手レバーの後ろに糸案内の穴があります。ここを通します。通常の糸立ての下に糸駒を設置、糸立てにはわせるようにして穴に通す。


リッカーベルニナ160  適切な場所に通すべき穴がないので、横になったスプールピンにクリップをとめて、その下に糸駒を置く。

エレクトロラックス990 よくある背面垂直糸立ての場合。

ハスクバーナエメラルド183 上糸が蓋の中にあるものは、蓋をあけて蓋の端にクリップをする。


これらのやり方では、それ程高くない場所でも問題なく抜けていきました。糸案内の穴は、高さより真上に近い位置にある事が大事なようです。

頻繁に工業用糸を使うようになったら、市販の糸立てを買うかもしれませんが、当面はエッフェル塔の即席糸立てで、代用しようと思っています。
工夫をすれば今あるもので何とかなるものです。

2014/07/11

エレクトロラックス990の難点

エレクトロラックス990と検索すると、結構な確率で修理ブログが引っかかってきます。
その症状で多いのが、基板が焼けるということ。

これを見ると、基板も経年により劣化し、煙が出て焼ける事があるとか。それがエレクトロラックスのこのシリーズに多いようなのです。
修理に出せば基板の故障も直るようですが、いずれにしても、火が出る煙が出るミシンなんて嫌ですね。

少し前にこのミシンで縫っていた時、フットコンのペダルを上げてもスピードが遅くならず、針がどんどん動いて布が送られていく事がありました。止め方がわからず、咄嗟に電源ボタンを押して事なきを得ましたが、こういう不具合が発生する確率が高いミシンなのではないかと思います。

このミシンは劣化もあることは承知していたし、その外観デザインに魅力を感じて手に入れてみたかったので、多少の不具合はしょうがないものだと受け取っています。
本気で使う気になれば、一度メンテナンスが必要かもしれません。

デザインのみならず、操作感や静かな音、針の動きも好きなミシンなんですが、いかんせん信頼感に欠けます。
6690も動きが安定せず困りものでしたが、エレクトロラックス(ハスクバーナ)の80年代の初期コンピューターミシンは基板がややもろいのかもしれませんね。ジャノメのメモリークラフトやベルニナのホリデーヌではあまり見られない不具合ですから。

2014/07/09

プリズマ990の特徴、カセットと生地選択

日本ではエレクトロラックス990として販売されたこのミシン、海外でのモデル名はHusqvarna Prisma 990-ハスクバーナ・プリズマ990です。

990も6690と同じく模様縫いはカセットを付け替える形になっています。
990のカセットは2枚。それぞれが表裏利用になっていて、1の裏に2、3の裏が4。
1は実用縫いと素材選択。2が模様縫い、3がひらがな、4がアルファベットです。



そしてこのプリズマシリーズは縫う生地の厚みと、かがり縫いなど縫い方を選択すると自動で適切なモードに調整してくれるという機能を持っています。(カセットNO1)
生地選択には薄地、普通地から皮革まであるので、それ程分厚くないものなら革を縫う事を想定していると思われます。

オークションでもタイトルに革OK、皮革縫い、など書いてあると結構値段があがるようです。また「このミシン、革は縫えますか?」と質問している人も多いので、多くの人が革を縫いたいと思っているのだと思います。自分もミシンを買うきっかけは革でしたから、革を縫うという需要は一定以上あると思うので、これを想定して、その部分を強調したミシンを作るとおそらく売れると思います。

このミシン、パワーは90Wと書かれていて、ベルニナや職業用、センサークラフトなどと同等です。

2014/07/08

全てがピタっとしたメカ。購入ミシンNO20 エレクトロラックス990

購入機NO.3エレクトロラックス6690くんはすでにここにはない。
動きが安定せず、置き場所もそろそろなくなってきたし、重めの直線ミシン(ジャノメHL2-350)を買う際、これは6690くんには立ち退き要求をせねばならんと巣立ってもらうことにしました。

6690くんはたまたまという感じで手に入ったのだが、個人的には機能面や筐体の大きさ・作りなど、その後に発売されたハスクバーナ製エレクトロラックス990に興味があった。
カラーリング面でも自分にあうのは茶色より紺・青なのである。これは服でもそうである。茶色はそれ程似合わないが、青の服のバリエーションはかなり持っている。一つ前の980は黒があるが、これも何か違う。黒の深みが好みと違うので、980より990だ。

ずーっと気になっていたが、やっと手に入れた990。その魅力はずばり、メカ感だと思う。
白やベージュ、鋳物の黒もミシンとしては想像がつく色だが、このミシンはそうではない。そして写真でみるよりも実際に見る方が良い。全面のパネル部分の艶、輝きもあるし、シルバー部分に安っぽさが全くない。

また、見たこともないくらい横長で大きいフットコンがついています。
左がエレクトロラックス990のもの、右がベルニナ160のもの。縦は同じですが、横幅が2倍です。如何に大きいかがわかります。

この大きなフットコン、驚く事に本体にぴたっと収まるように設計されています。よって、カバーを掛ければホコリもかぶらない。
ベルニナちゃんたちはフットコン収納部分にカバーがなくホコリがかぶったり、ホリデーヌ系のハードケースは上糸を糸立てに置いたままだと、カバーがしっかり収まらない。
この点で990はパーフェクト。持ち手もピッタリとカバーに収まるのです。
フットコン収納時、左が上から、右が後ろから見た様子
ハードカバーをつけたところ、持ち手もピタッと収まります。
そして本体も後ろにやや傾斜していますが、それに合わせてカバーも斜めになっている。すべてにおいて完璧な設計。

好みにもよるが、ベルニナよりもこちらの方が向いた人がいるだろう。
低速にすると本当に静かで軽やかな音、そして滑らかな針上下動。この品のいい音はベルニナとはやや趣が違います。うまく言葉で表現できませんが、これらの違いは何となくスイスとスウェーデンの違いともおもわれます。感覚的ですみません。


2014/07/07

そのまま捨てない服、ボタン・ジッパー再利用

ミシンを使ってソーイングをするようになってから、布もさることながら、ボタンやジッパーなどパーツ類が意外に高い、そして気に入ったものを見つけるのも難しいという事がわかりました。

以前は色褪せてきたり、着なくなったシャツやパンツなど衣料を捨てることもありましたが、今はそのようなものは、宝の山。
ボタンもシャツの場合、前が6~7、袖で4つくらい使います。買うと大体6個入りとかも多いので、2セット買わないといけないのですが、着なくなった服もボタンだけでも外してから捨てる方がいいです。

破れてきたクッションカバーがあったので、ジッパーを取り外して破れたカバーを型がわりにして、同じようなクッションカバーを作りました。
クッションカバーであればそれ程大きな生地も必要ないので、余っている生地ですぐ作れます。

このように要らないものも何か利用できないかと考えて置いておくのは大事な事です。

ジャムの瓶やプリンのガラス容器なんかも置いておくと使える事もありますが、これらはあまり置いておくと置き場所に困りますし、その他のものでも、これいつか使うかな、なんて思って容器をおいておいても使わない事も多いので、一定以上置いておいて使わない場合は整理のために捨てた方がいいかもしれません。

ボタンやジッパーは置いていても場所をとるものでもないので、今後も要らない服から資材を取って保存しておこうと思っています。
正直、要らないという人から貰いたいくらいです。


2014/07/05

名機と呼ばれるミシンって何故か。。。。

「ミシン 名機」と検索すると、ヒットするのは何故かジャノメの機種が多いです。
メモリークラフト、メモリア、トピアエースなど。
他のメーカーもいいミシンがたくさんありますが、なぜかジャノメに乱発される名機という謳い文句。

英語ではHeavy Duty, Industrial Strengthというのが大げさに良さを強調する決まり文句のようです。これらの言葉もebayなどで乱発されていますが、よく見るとどうよく見積もっても普通の家庭用ミシンにしか見えない、場合によってはあまりよくないミシンにもこれを書いている人がいます。

なぜジャノメのミシンばかりが名機といわれるのか?
JUKIやブラザーにも人気・実力ともに兼ね備えたミシンはあります。当然ジャノメにも負けていません。日本初のコンピューターミシンを作ったのはジャノメですが、電子ミシンはブラザー、自動糸切はJUKIが先発です。

明確な答えを提示することはできませんが、考えられる理由として、まず「ミシンはジャノメでないと」と思っているファンが少なからずいることです。それも長期間にわたり家族代々ジャノメファンという方もいるようです。
他のメーカーもファンはいますが、代々ブラザーといった人は少ないようですし、JUKIは家庭用よりも工業用に力を入れてきたメーカーなので、家庭用ミシンとしてはジャノメに一日の長があります。

これらの日本メーカーに限らず、ベルニナで特定の機種が名機なんて書かれている事はほぼありません。なぜならベルニナのミシンは、縫い模様数や刺繍の有無などの違いはあっても、基本の縫い性能が高いレベルで統一されています。だからどれも名機ということになってしまうのです。

一方、ジャノメと名の付くミシンはピンからキリまであります。ジャノメの技術力をいかんなく発揮し、どのミシンも一定レベル以上の性能になるように製造していればいいですが、コストダウンした部品を使った、間違えてもお勧めできない安価なミシンも作っています。あらゆる需要にこたえるための選択としてこれはしょうがない事です。
だから、数多あるミシンの中でどれがいいか見分けを付けるために、名機という言葉が使われるというのもあるのでしょう。

そして、誰かがジャノメのミシンのいくつかの機種に「名機」と書き始めたら、このネット主流の時代、その表現を真似て自然に広がっていくという事情もあると考えられます。



2014/07/04

水平釜2台目のセンサークラフトに注油。ミシンをいたわること。

一般的に水平釜のコンピューターミシンは注油が必要ないとされています。今までミシンをたくさん買ってきた中でも、水平釜はこのセンサークラフトで2台目。
1台目のハスクバーナ・エメラルド183は中古とはいえ、そんなに昔の機種ではないし、ほぼ未使用だと思われる綺麗なものだったので、注油といっても殆どしていません。

ただし、このセンサークラフトは20年以上前の機種で、一定期間以上使っていないと思われ、筐体も磨くまでは汚れがあり、ホコリも、多くはないですが、適度にありました。
まず外観を念入りに拭き掃除し、中を開けてホコリを取り除き 様子を見ながら注油をして、生き返らせていくというのが、中古ミシンを買って箱を開けた後にすることです。

今までは殆どが垂直釜だったので、ほぼ例外なく釜周辺に注油をします。
ただし、これは注油不要といわれた水平釜のコンピューターミシン。

どうしたかというと、、
躊躇なく注油!です。

前にもミシンの注油が必須という事をかきましたが、私の意見では、モーターを使った機械で、金属部品が擦れて動いているものは絶対に注油が必要だと思うからです。

本当はグリスを塗る部分に適切なものが塗れればいいのですが、そこまでの知識は残念ながらまだ私にはないので、ここは注油だなという部分にミシン油を注していきます。樹脂製の部分なんかは油をさすと劣化の原因になるらしいので、注油は金属部分に限りやっています。

このミシンも購入当初は、油切れのためか、プーリーを手廻ししてもやや重い感じがしました。
それ以外にも、自分の感覚的なものですが、全体的に油がない、乾いた感じの音がしたので、釜、針棒周辺の駆動部、その他筐体を開けてみて届く範囲の回転部分に注油を慎重にしていきました。
そして数日置いておくと、だんだんと動きが滑らかになりました。

ジャノメのロックミシンが油不足で全く動かなくなった事もありましたが、とにかく注油は必要だなと改めて思いました。そしてたまにはミシンを動かしてあげること。
これは本当に重要です。

栄養をあげてたまには面倒を見てあげる。これだけでミシンはいつまでも動いてくれます。
出来れば保管状態も良くしてあげて、たまにホコリをとったり、掃除してあげれば、相当変な使い方をしない限り、故障なんてしないのだと思います。
これはミシンに限らず、他の機械でもそうですね。保管方法が雑だったり、長期間放っておいたらダメになりますからね。