2014/04/29

ミシン業界の問題、販売チャネルと修理システム

ミシン業界って閉鎖的で何となく信用できない。多くの人がそう思っているのではないでしょうか。
店や販売ルートによってこれほど価格差のある商品もそう多くはありません。
そしてその価格差が消費者にとって納得のいくものであれば問題ないが、正直高い値段で買った人が「修理にすぐ対応してくれるから近くの販売店で買ってよかった」と何とか自分に言い聞かせているような気がします。そういう人は正当化するために人にも「そういう店で買った方がいいよ」と道連れを作りたくなる。そのおかげで価格の高い店舗の営業も続けていけるのだと思う。
修理なんて近くでやってくれなくても、配送すればいいのです。いまどき修理屋さんに送っても、数日でかえって来ます。

また、販売店よりメーカーの意向がかなり重視される業界である。ミシン以外の製品で今やそんなものはあまりない。
日本のミシンメーカーは部品を長く保持しない。一定の義理を果たす期間だけ持っている。
古い機種は「もうそれ部品ないので修理できないです」とすぐに新しいものを売ろうとする。
営業面や売り上げを考えると仕方ないと言う。それも一理あるが、それでいいのだろうか。

海外を見てみると古い機種の部品もすぐに見つかります。シンガーの70-80年前のミシンでさえ部品が購入できます。日本のメーカーは作ることはできるが作らないのです。
今でも昔のミシンを修理してくれる業者さんがいるので、修理が出来ないというのは嘘です。やらないという事になるのです。論理的な考え方のできる人、感覚的に鋭敏な人ならすぐわかります。

ミシンに限りませんが、継続的な事業活動と売上を確保するために、まだ使えるのにどんどん新しいモノを買うような仕組みが出来上がっています。
ただし、そういうのも結局は長続きしないです。
テレビも無理に地デジ化して多くの人が買い替えを迫られましたが、その後は全然テレビが売れていません。一気に売ってその後閑古鳥。
車も車検のシステムにより長年乗るとコストがかかるようになっているので、買い替える。ただし、今の若い人はあまり車には興味がないようです。昔のように若者が見栄で高い車に乗らなくなっただけ良くなったと思います。
さらに、パソコン、携帯・スマホなんかもソフトウェアなんかの問題で買い替えを迫られる事もあり、多くの無駄なゴミを地球に生み出しています。
少しだけ省電力化したものを売るために、エコという受けのいい言葉を使って巧みに商売をしています。何でもエコ・エコと軽々しく使う人は信用がなりません。
本当にエコというならこんなに多くの製品を莫大な素材とエネルギーを使って製造し、数年で壊れるものを売って買い替えさせ、大量のごみを発生させているのは、どう説明するのでしょうか。

私はどんな製品でも長く使えるものを買いたいです。そして、それを修理してでも使い続けたいのです。企業も継続的な売り上げを維持したいなら、明確な修理システム、メンテナンスシステムを作り上げて、定期的にその部分での利益を確保できるようにする。もしくは、消費者にとって魅力的なアタッチメントの販売や、買った製品をさらに進化させるためのアップデートの仕組みを作ればいいと思います。今あるものを生かしつつ新しく良くする仕組みです。
家のリフォームのようなものでしょうか。

ミシンの販売方法における構造的な業界全体の闇については伝説の“ミシンの迷信”でも10年ほど前に述べられた事だが、一部法的な措置によって変更・淘汰を余儀なくされた会社もあるものの、未だに直営や販売店、手芸店でモデルが違うという不透明な販売方法を用い、時間をかけて調べないとどれが同じかわからない。
そして普通の人はミシンだけを買うわけではないし、他の商品と同等に考える。そういう何でもない日常の比較から、この業界に対する不信感を持つ消費者は増える。これは何とか改善しないといけないと思うのは私だけでしょうか?

実際に私が考える改善提案にについて、次回書きたいと思います。

2014/04/28

ブランディングの話

前回ジャノメのミシンのデザインの話をしたが、今日はもっと大きくそのポリシーとブランディングの話をしたいと思う。

ブランディングには大きく分けて商品ブランディングと企業ブランディングの2つがある。
まずは商品ブランディングの事を言うと、ジャノメは何でここにこの色わざわざ入れるの? 何故あえてごちゃごちゃさせるの?と思ってしまうデザインが多い。例えば職業用の780DX/780DBなんかは不要なカーブをつけ、無理やり柄を入れている。黒ミシン時代のクラシック感をちょっとだけ出したかったんですかね。であれば何とも中途半端。
そして、このミシンも次のモデルで脈略もなくカラー変更。直営店、販売店でモデル名だけ変えて同じミシンを販売していることにも起因するのでしょうが、ブランディングという観点から容易にカラーを変えるのは一番やってはいけないこと。

人のイメージは色と密接に結びついていて、これと言えばこの色と思われなければ意味がない。
ポストと言えば日本人やイギリス人は赤、フランス人は黄色、青いコカコーラなんて飲みたくないし、ポカリスウェットは食品に青を持ち込んだから当時非常に画期的と言われ、爽快なイメージを表すのに役に立ったのだ。
どうですか?黒いポストがあったらそれが郵便ポストだとおもいますか?紫の非常階段のサインがあったら違和感ありませんか? そういうことです。容易に変えてはいけないのです。

前回書いた通り、シュプールと言えば白、長年変わっていません。そこに小さくJUKIの青が見えるからいいのです。
ジャノメの職業用は厚物にも強くパワーがあり、他の職業用より後発で出たので、性能的には申し分ないものらしい。その点はいいのだが、デザインの観点で失敗している。コスチューラと言われた767なんかは頑丈で耐久性のある職業用なのに何故かコンパクトミシンが使いそうな色を採用していて、おもちゃのように見える。
批判ばかりしても何なので、直営店モデルHS-70 とHS-80はグレーに品があり、赤との調和がいい。
赤はライトグレーと色合わせがいいからかつてJALのロゴもこの2色だった。

ピンクとライトグレーでもいいです。
この色合わせはファッションでも応用可です。
ジル・サンダーのラフ・シモンズがデザインしたラストシーズンのコレクションでもピンクとライトグレーの見事な調和がみられました。

ベルニナ1050もピンク・グレーの色合わせです。
 
ベルニナ1050
そのHS70と80の良いカラーリングも後継の85ではなぜか全然色相が違うモスグリーンに変更になっています。こんな変更は通常ありません。ジャノメは昔からモデルチェンジしたらカラーも変えないと、と思っているのかモデルごとにカラーを変えます。モデルチェンジしたら色を変えないといけないという事はないのです。大きく変更がない機能なのだから、それを誤魔化すためにカラーを変えているみたいです。カラーを変えないで機能の刷新だけアピールすればいいのです。大した機能変更がないのならいつまでも同じものを売ればいいのです。必要なものであれば商品は自ずとロングセラーになります。
先にも述べたとおり、自信のない人は一貫性やポリシーがなく、一本筋が通っていないのでコロコロ変えるのである。そういう仕事の仕方をする人、周りにもいますよね。JUKIのシュプールは、デザインはこれでいいという姿勢が見えます。一貫性のなさもJANOMEのデザインの大きな問題だと思っています。

次に企業ブランディングの話ですが、
ジャノメの企業ロゴは数年前赤に変更になりましたが、このロゴ、スイスのかのメーカーと似ていると思うのは私だけでしょうか?色が同じ赤で、文字フォントもあまり違いがないです。


フォントは大きくセリフ付の明朝系とセリフなしのゴシック系に分けられますが、それぞれ真面目な印象と軽やかな印象を与えるようになっています。この辺のやや専門的な事はこのミシンブログに適さないので、軽くで留めておきますが、そういうものなのです。
ちなみにセリフとは文字の端にある”はらい”のようなもののことですが、ジャノメは以前、セリフ付だったのが、急に赤いセリフなしのゴシック系。なぜ簡単に変えるのでしょう。パインさん。
ジャノメの以前のロゴ

ブランディングという点では、JUKI,ブラザーのほうが、一貫性があると思います。
ジャノメとしてはイメージを変えたかったのかもしれませんが、変えるにしても競合他社が使っている色は使ってはいけません。日本のメガバンクも色が被っていませんよね。同じだったら銀行探しているとき遠くから見て識別がつかないです。

最後に、これはジャノメを批判するのではなく、もったいない、作っているものがいいし、サポートもいいからこそ、あえて書いているのだということをご理解ください。

2014/04/27

ジャノメデザインとちょっとしたデザイン論

ジャノメを買うまでは私にとってのベルニナ期で、やっぱりミシンはベルニナが最高!  だと思っていた。
ただ、ジャノメのミシンを2台買ってみて、改めて日本のミシンメーカーや業界について考えてみた。ジャノメを買った後、私のミシン購入もいったん休止期間にはいるので、ここからは“ミシン業界”について自分なりに考えたことを数回にわたって書いていこうと思う。

今回はまずジャノメのデザインについて。

消費者の中に直営店や販売体制への不信感が根強くあるとはいえ、サポート面や部品入手のしやすさで本当にいいメーカーさんであるが、現在のジャノメミシンにはあまり興味がわかない。

ズバリ、デザイン的に欲しいと思うミシンがあまりないのです。

一時1950年代から70年代にかけて日本を代表するプロダクトデザイナーの小杉二郎さんがジャノメミシンのデザインをしていたらしく、自分が買ったエクセル815やHL2-350 などジャノメのミシンでもいくつか好きなものはあります。この2つに関しては置いていても雰囲気があり、見ていてもとても愛着の持てるものです。かつては良いデザインのミシンもありました。
ただし、他社と比べた場合デザイン的に欲しいと思わせるものは少なく、現行ミシンでは皆無に等しいです。性能面で興味はあるので使ってみたいのですが、デザインでの魅力が感じられません。

これには異論がある人もいるとは思いますが、私は今のジャノメのデザインが好きになれません。色使いが良くないのと、媚びているデザインが多い事、また全体的に必死な感じのするデザインで、「これどうですか?」みたいな。ズバリ自信がなく映るのです。他のものを真似たようでポリシーがなく、一本筋が通っていない気がします。

どんな服を着ていても、その服やテイストが好きで、高くても安くても古い服でも自信を持って着ている人は素敵に見えます。
服と全然色があっていないのに、行く場所にもそぐわないのに高級ブランドのバッグをいつも持っているなど言語道断、その精神性が嫌です。これは自信のなさからくる行動で、一番やってはいけないこと。
個人的には一番お金をかけるべきは靴。おしゃれは足元からという定番言葉に異論なし。
自分に合ったもの、好きなものを着るのが大事ということは、The Sartorialistという本(街中のファッションスナップの最上級のもの)を見てもらえればよくわかります。全体を理解するには本でみるのがいいが、ちょっと見したい人はWEBで同じものが見られるのでこら。
http://www.thesartorialist.com/

メモリア、メモリークラフト、センサークラフト、セシオ、CKなど全部をひとまとめには出来ないが、どれをとっても何か足りない。うーんという部分がどこかにある。色、柄、文字、線形、どこかにおかしい部分がありあます。
DC6030などグッドデザイン賞をとったものもいいとは思うが今一歩何か足りない。某海外ミシンのデザインを真似ているような部分もあり、デザインのためのデザインをしたミシンと言えばいいのか、何となく無理が見える。四角くてシンプルなのはいいが、左右のバランスが悪いのです。左が大き過ぎです。
(余談ですが)
個人的には、グッドデザイン賞は形骸化した運営母体のための賞だと思っているので、賞の評価を信用はしていません。他の認証機関や賞も似たり寄ったりだが(代表:モンドセレクション)、登録や申請にお金がかかるものに本当の評価が出来るのかと思うからです。

         
機能を優先させてデザインはされるべきであるが、それだけでは何か足りない。
私は色と形のバランスがよく、シンプルながらちょっとだけ捻りや遊びがあるものが好き。そしてそこにその人ならではのテイストがあればなお良い。
ジャノメは機能的に意匠を凝らした優れたミシンをいっぱい作っているのであるが、外観デザインという点で何か物足りないのです。シンプルでもなく、遊びもない。
具体的には80年代くらいまでは全体的に固く、90年代以降は丸みがあるので安っぽく見えます。
また時々、余計な色や柄がなぜかついていたりします。
例をあげるならセンサークラフト7100の”ゆびコン”のマーク、セシオの丸ラベルなんかを見た時は、、、、、、、、となってしまいました。(セシオ8200にはご成婚モデルなんてものもあります。)

その点で色をそぎ落として半分デザインを放棄したJUKIシュプール90なんかは好きである。もちろん98や25、30も白と青で自分の好みに近いし、シュプールは基本的に形状と色のベースが20年以上ほぼ変更がない。容易に変えないというのは私の好きなポイントとも合致する。コンセプトがはっきりしているのです。
そして、どうせデザインするならJUKIのHZL-11フルフルくらいやってほしい。これはいわゆるミッドセンチュリー・モダン系のデザインをミシンに持ち込んだようなもので、イームズのチェアとも合いそうです。このミシンは付属の別立てミシンライトやケースまで全体にテイストが統一されています。

だからデザインで選ぶなら、日本では間違いなくジャノメよりJUKIかブラザー。JUKIは工業用ミシンでもほぼ形状が変わらないし、そこが主力商品ゆえのアドバンテージがあるかもしれません。デザインの基本は引き算。これもまさしく真なのである。
ブラザーも全体的に統一感があり、筐体のバランスもいいです。

私が辟易したジャノメのデザインでもっとも強烈だったのが、この815用のフットコンのケース。リノリウムの床みたいな何ともダサい色。これを見るたびに、げんなりします。ボタンの赤もぼやけた悪い種類の赤です。
815はミシンのデザインがいいのにこういう細かい部分で手を抜いているのがわかります。

最後に改めて言っておきますが、私はジャノメのミシンそのものではなく、ジャノメのデザインが好きではないのです。
機能的に優れたミシンがあるのにデザイン面に弱点があると思います。

2014/04/26

各社各様、十人十色。フットコントローラーの違い

前回の続きです。
フットコンそのもののの形状はさることながら、差込口もメーカーによって様々です。

YC-480の一般的な差込口
●YC-480  
一番メジャーなのが、YDK・山本電気製モーターにつけるYC-480。ジューキのロックミシンもこのタイプが多いようです。

ただし、YC-480でも差込形状がいくつかあるようなので、購入が必要な場合は事前要チェックです。また、YC-18Sという型を使っていた古いベビーロックのミシンでもYC-480 が使えるとのことです。



●YC-485 
JUKIのHZL-7800とJUKI SPUR25はYC-485・丸型1ピンフットコンです。
このYC-485もモノによって差込口の形状が違うので購入時にはチェック要です。
ちなみにシュプールでも90や98のころは電源と一体型なので違う形になっています。
YC-485 JUKI SPURのフットコントローラー
YDKのものは割と多くのメーカーで使われていますから、YDKのものを使っているミシンは今でも比較的購入しやすいです。
一方で海外メーカーや一部のメーカーはメーカー独自の形状のものも多く、それらのいくつかを紹介したいと思います。

■ベルニナ
ベルニナのフットコンの差込口は他のメーカーとは互換性がない特殊な形をしています。ホリデーヌのころまでは平型2ピンです。これは1090、1230、1240から1050も同じ形です。どれも電源コードは別です。ホリデーヌ1050のフットコンは1230のものよりは幅が狭く小さ目です。
ベルニナ旧型・ホリデーヌ用
アクティバ、ビルティオーゾ、アーティスタなどはノートパソコンの電源のように丸い1ピンタイプで、これは現行のミシンでも同様の形のものが使われているようです。
新型ベルニナ、現行も同様
■ハスクバーナ
ハスクバーナ(エレクトロラックス)もかつては電源一体型で私が買った6690も一体型。
80年代のプリズマシリーズあたりまでは一体型だったようです。
その当時からハスクバーナは幅広で大き目のフットコンが多いようです。

最近のものはこういう感じですっきりキレイな形になっています。丸いドット模様がいいですね。
ハスクバーナのフットコントローラー
■ブラザー
ブラザーの人気機種、ヌーベルクチュールの古い機種(型番TA3-B625, B626, B627など)で使われていた電源一体型のフットコンはもう売っていないようで、ヌーベルでフットコンが接触不良などで使えなくなった場合は入手が困難なようです。
フットコンがないと使えないので、モーターごと変えてしまって、汎用のYDKのフットコンを付けられるように改造しているものも見かけます。
ブラザーも今はコンピューターミシン、職業用ヌーベルともに1ピンのものが多いみたいです。


かつて使われていたものの今はもう製造販売していないものは電源一体型のものが多いです。
新品は売っていなくても、国内外を探せばこういうものもどこかでは見つかると思いますので、フットコンがないため使用をあきらめているミシンがあれば、ジャンクの部品取りや海外のサイトなどで探すのがいいでしょう。


●●好きなフットコン●●
個人的に好きなフットコンNO1はベルニナ・ホリデーヌ用のものです。。
実際踏んだ感じと足元での安定感、加速の滑らかさや思い通りに動いてくれるという点に関してこれ以上のものはありません。
以前書いた一針縫いをかかとで出来ることが気にいっています。
アクティバ、アーティスタなどで使われている現行のものも操作感は同じですが、やや小さいので私の大き目の足には旧型のホリデーヌタイプのものがしっくりきます。

シュプールのもいいですが、プラスチックで軽いので安定性に欠けます。また加速がなめらかとは言い難く、ごく平均的なフットコンです。
他のものも特に使いにくいというものはないので、ベルニナだけが突出している感じです。

今はJUKIの家庭用エクシードシリーズや、シュプールの一部機種で、フットコンで糸切ができるものもあるようです。踏面も大きくなかなか使い勝手がよさそうです。
ただ、自分は糸切を足でする必要を感じない(そもそも自動糸切はなくてもいい)ので、別になくてもいいかな~。
JUKIは一針縫いが手元ボタン、糸切はかかとで踏むということで、現行ベルニナとは逆ですね。
自分はベルニナのようにかかとで一針縫いできた方がいいです。





2014/04/25

ジャノメのフットコントローラー 

私がジャノメ・エクセル815購入した当時、いくつかオークションに出品されていましたが、最も綺麗そうだなと思ったものは、フットコントローラーがついていないものでした。

動作確認もできていないということでしたが、きれいに使われていたのがわかったのでそれを買うことにしました。きっと電源さえ確保できれば動くだろうと考えたのです。
そんなことなので、動かすためにはフットコントローラーを別に見つけなくてはなりませんが、運よく815に使えるフットコンが出品されていたので、心置きなくフットコンなしの815に入札し落札、すぐにフットコンも購入しました。

こういう時に困るのが、そのミシンにはいったいどのフットコンが対応しているかということがすぐにはわからないということです。以下にジャノメの歴代フットコントローラーを紹介します。

ジャノメ・電動ミシン用 平3ピン型

直線ミシン・HL2-350は平型3ピンです。
350に限らずトピアなど70年代までのジャノメ電動ミシンはこの形を採用しているようなので、もしない場合はこれらのものが流用できます。
長方形ではなく、差込口の片側に切り込みが入っているのが特徴です。






ジャノメ・815の平4ピン型


815のフットコン差込口は平型4ピンです。
これは当時のジャノメ電子ミシンに採用されている形です。

こちらも片方に切り込みが入っています。






コンピューターミシンの初期型(メモリアやメモリークラフト)は平型5ピンのようです。
電動が3、電子が4、コンピューターが5と段階的に一つずつ増えていくみたいですね。

80年代前半まではフットコンと電源コードが一体型になっていますが、この後(80年代中盤あたり)から電源コードが別になり、フットコンも軽量化し形状も変わっていったようです。

メモリークラフトの後継、センサークラフトシリーズでは丸型3ピンになっています。電源コードは本体と一体型になりました。
こちらの形はその後モナーゼなどの電子ミシンでも採用されています。

現在はジャノメも1ピンのものが多いようです。
また素材はプラスチックの軽いフットコントローラーが主流のようですが、80年代までは金属製の重いものでした。

今回はジャノメのフッコントローラーについて触れましたが、フットコンはメーカーや発売時期や機種によって差込口の形状が異なりますので、動かなくなった場合、なくしてしまって購入したい時も形状をを知っておく事が大事です。

その他のメーカーについては次回書きたいと思います。


2014/04/24

JANOME・トピアやエクセル800番台のお決まりの

そうではないかと予想はしていましたが、ありました。私が購入した815君にもこのシリーズお決まりの不具合が。

釜ギアがプラスチックなので、経年によりヒビがはいり割れてしまうのです。
この不具合は同じ部品を使っているトピアシリーズやエクセル813などでもよく起こるようです。これ以外にも模様選択ダイヤルで同様のクラックが出来るらしいのですが、私のものは釜ギアのみこの症状がでていました。

今でもメーカーで部品は製造されているようです。海外では普通にネットで買えます。
ただし、このギア交換は素人には非常に難しいものです。たとえギア交換できたとしても、タイミングの調整に失敗することもあるようで、私は躊躇してしまいました。

実際にミシン使用者自らがこの交換をやったという文章をみかけましたが、やはりタイミング調整がうまくいかなかったとのことで、直線以外縫えなくなったとありました。
さらに釜の取り外しも結構大変なようです。

それを見た後、Blogで修理画像をあげていたミシン屋さんに問い合わせ、大体の修理代金を聞いてみました。思ったより全然高くなかったです。

とはいえ、送料等を考えると他に中古ミシン買えるし、これメインで使うとも思えないしな~、などど考えてしまいます。
ミシンの構造を知りたいし、自分で部品を購入し英語版のサービスマニュアルを手に入れて、最悪ダメになってもいいからとやってみたい気もしていますが、大変なのは間違いなく、現時点で一応全ての模様を問題なく縫えているのに調整に失敗して縫えなくなるのも嫌だなーと思ったりして、なかなか決められません。
いずれ、どうにかなるだろうとやり過ごしています。



2014/04/23

エクセル815・便利機能の数々、フリーアームとしつけ機能。

ジャノメ・エクセル815について、前回は直線時・針板変形機能について主に書きましたが、今回はそれ以外のこのミシンの特徴について紹介したいと思います。

このジャノメ815は70年代半ばに発売された当時の高級ミシンです。
今でも評価の高いトピアシリーズのカム交換をミシンに内蔵し、機械式ダイヤルで模様選択をするエクセル815。
機械式ならではの、金庫のダイヤルみたいな選択ダイヤルも時代を彷彿とさせます。

一番上が模様選択ダイヤル。

その下の外側ダイヤルが針基線変更、内側が送り長さの設定。さらに内側が返し縫ボタンになっています。

下のレバーがふり幅調節・最大7㎜
針基線選択ダイヤルで、直線を選べばこの振り幅レバーが自動的に0になるようになっています。

その右にある縦長のボタンが一針縫いボタンです。
針が上にある時ボタンを押すと一針縫えます。針が布に刺さっている時は、押すと針が一番上まであがります。針停止位置が設定できないミシンでは、とても便利な機能です。

■フリーアーム■
トピアシリーズやそれまでのジャノメのミシンと違いエクセル813,815はフリーアームになります。そしてそのフリーアームがかなり細めなので使いやすいです。

今主流の水平釜のミシンでは構造上ここまで細くするのは無理です。何かを得れば、何かを失うということですね。






■テーブル■
テーブルも十分な広さがあります。
ボビン交換時テーブルを外さなくてもいいように透明でボビンケース収納部分が見えるようになっています。

テーブル左側はケース収納時、簡単に折りたたむことが出来ます。





■模様縫い■
模様縫いはこんな感じで結構あります。ただし、これを買って気づいたのですが、ジャノメの模様縫いはジャノメ独特の形のものもあり、今までのJUKIやベルニナとはまた違ったものがあります。
模様縫いの早見表が上部蓋の裏面に書かれていて、送り長さやふり幅の設定を確認できるようになっています。

■ケース■
リッカーのRZ-701もそうでしたが、70年代ミシンのケースは何とも時代を感じさせる作りになっています。持ち手と上面、側面に革を使用しています。凝ったつくりで高級感があります。こういう革を使ったケースはベルニナにもJUKIにもありません。

■パワー■
貫通力もそれなりにあり厚地もある程度縫えます。モーターが家庭用で普通の70W程度ですが、ボディをはじめ、多くの駆動部が金属製で精工につくられているので安定感があります。

■しつけ機能■
左は説明書しつけ縫いのページ、右は実際このミシンでやったしつけ
ジャノメ・804トピアレーヌから採用されている、”しつけ縫い”の機能ですが、これは意外に便利だと思いました。年数を経ると故障する事もよくあるようですが、私のは使えました。

ベルニナRCM-1230やホリデーヌ1240にもしつけ縫いの機能がありますが、こちらはコンピューター制御で、数回送るごとに針が一回降りる形になっていて、しつけの長さは限定されます。
一方エクセル815はモーターをしつけモードにして、押えを解放し、フットで一針縫い、布を手で送り、またフットを踏み一針ずつ縫っていく。
オートではなく、マニュアルしつけと言えるものです。

洋裁の基礎的な観点から見れば、
しつけはしつけ糸を使い、切りじつけや押えじつけなどをしないとダメです!
となるかもしれませんが、いちいちその準備をするのが面倒な時、またまち針をするのも難しい部分などは、このしつけ機能で仮止めしてしまえば楽です。







★この投稿をする前に久々に815を触ってみましたが、やはりなかなかいい動きをします。コンピューターミシン程多くの機能はありませんが、必要十分な機能性能が備わっていて、自分のペースで作業ができる無理のないミシンです。縫い目も綺麗に出ます。
左が表、右が裏面


2014/04/22

直線時針板が変形! 購入ミシンNO14 ジャノメ エクセル815

HL2-350という直線ミシンを買ったあと、だんだんと興味が出てきたジャノメ。家庭用ミシンシェアNO1だけあってミシンはジャノメと決めている人、親子代々ジャノメを使っている人なんかも多いようです。一般的に評判の良い機種を多く作ってきて、名機とよばれる歴代ミシンも数多くあります。

調べれば調べるほど多くの情報に遭遇し、一段と気になるようになってきた矢先、70年代のトピアシリーズは今でも多くのファンがいるとの事。発展途上国にも輸出されていて、中古市場で今でも高額で取引されていることがわかりました。

24種類のカムを交換することによりたくさんの模様縫いをできるトピアシリーズ。ジャノメの名機と言われるミシンのようです。
そんな評判から最初はトピアの802と804に興味を持ちましたが、状態の良い品物はそこそこの値段になるので、ちょっと興味本位で買うには価格相場は高め。

一方、トピアの後に出たカム交換式ではないエクセルシリーズは比較的安い値段で購入できる事がわかってきました。
デザイン的にトピアが好きなわけではないので、エクセルに照準を定めました。
エクセルの中でもデザイン的に一番興味を持ったのが電子ミシンでジャノメ垂直釜の最後期モデルの815。
ほぼ同様のデザインと機能を持つ813もあるが、813の青緑の色が強すぎてあまり好きになれなかったので、白&薄いブルーのすっきりした815を購入しました。

私にとって、この815の機能面で最も魅力的な点は、針板の穴が直線選択時に直線用に小さく切り替わる事です。その動きを見てみたくて購入したと言っても過言ではないです。
左が通常時の針板  右が直線選択時の針板
これは本当に素晴らしい機能です。なぜ今、こういうミシンがあまりないのか不思議なくらいです。
薄いものを縫うときにジグザグミシンは布が板の穴下に落ちてしまうという難点があるが、この針板変化の仕組みがそれを解消してくれます。
「そんなの直線用針板に付け替えればいいじゃないか」と言う意見もありますが、いちいち交換するのは面倒だし、万が一直線用針板つけたままでジグザグ縫いを間違えて選択して縫った時の事を想像すると、レ・ミゼラブル、I dreamed a dream。
それならいっそ、直線ミシンとロックミシンを買ってしまえ。そしてボタンホールは家庭用ミシンかボタンホーラーにするかと、洋裁好きのお決まりコースへ突入することになります。

ただし、置き場所や懐具合を考えても、ジグザグもボタンホールなど一通りの事が出来る家庭用ミシン一台ですむならそれに越したことはない。だからこの針板が変化するのはとてもありがたい機構なのです。この機構はジャノメのいくつかの機種に見られるようですが、これは是非復活させてほしいものです。

なお、直線用針板や直線時針板は、「直線用押え」とともに使うとさらに縫いが安定するようです。ただし、送り歯の左右間が直線ミシンより離れているので、その点では直線専用ミシンに分があるとか。

ジャノメさん、かゆいところに手が届くという気配りがあるミシンをたくさん作るのでありました。

2014/04/21

暮しの手帖とミシン

ジャノメと言えばこだわりのなかったロックミシンを買ったのみでしたが、HL2-350を買ってから、今まで全く興味のなかったこのメーカーに目が向き始めました。日本を代表する家庭用ミシンメーカーなので、今まで好きだったJUKI,、リッカー、ベルニナなんかに比べてネット上の情報も多く、調べれば調べるほどなかなか面白い世界がありました。今までと違う形の情報や視点に触れる事が出来た気がしました。

そしてジャノメの足踏みミシンについて調べていたら素晴らしいブログ記事を見つけました。
暮しの手帖1964年発売号でミシンのテストをしていたというのです。
リンクを勝手に貼るのは失礼なので、あえて貼りませんが、暮らしの手帖 ミシン で検索すればすぐわかると思います。
当時各社から発売されていたミシンで、一体どれくらいの耐久性があるのか、1万メートル縫ってみてどのメーカーのものが良いのかをテストしています。労働力とコストと根気のいる作業を消費者のために行っていたのです。

暮しの手帖は一部の女性以外あまり手にすることがないと思いますが、日常生活に役立つ情報がかなりあります。かつては商品の耐久テストや細かな使用感の比較など、消費者目線に立った商品レビューを独自で行いそれを記事にしていたようです。メディアの鏡のような雑誌ですね。

同じ方のブログで、【暮しの手帖】『ジグザグミシンは役に立つか』という投稿もありました。1972年の直線ミシンの良さを強調した記事に関するもの。
この記事ではジグザグミシンがなぜその当時主流となって、直線ミシンを駆逐するに至ったかが関係者の証言を元に説明されています。

この記事を見る前も思ってはいましたが、改めてミシンは直線だと確信しました。。直線がまともに縫えないミシンはいくら機能が豊富でもあまり意味がないと思います。
刺繍ミシンは刺繍のためのミシンだと思った方がよく、普通のミシンは何より直線です。薄地も厚手も直線が綺麗に縫える事が一番に考えられるべきだと思います。

極論ですが、直線ミシンでも送り歯を下げた状態で押えを解放気味にして、手でジグザグに送る事もできるのではないかと思う事もあります。手が器用な人ならこれが出来るのではと。いずれまた直線ミシンの可能性や威力については書きたいと思います。


2014/04/19

電動化足踏みミシン 購入ミシンNO13 ジャノメHL2-350

オークションでたまたま目にしたジャノメのこの機種。ペパーミントグリーンと白のなんとも綺麗なツートンカラーで、曲線的なボディながら頑丈さを併せ持つレトロな雰囲気とデザインに魅かれてしまいました。
このミシンは元々アメリカへの輸出用にデザイン・製造されたものだそうです。だから、世界中の人々が映画を通して憧れた、アメリカが最も輝いていた時代のデザインの要素があり、その生活が何となくですが感じられます。なお、アメリカではこのミシンをはじめ多くのジャノメのメミシンがNew Homeブランドで販売されていました。


それまで買った事なかった足踏みにも使える鉄製ミシン。当然直線のみ。

昔はこんな重いミシンを足踏み台に乗せて多くの家庭で使っていたんだろうなと思いをはせていました。

そしてオークションでは機種名が載っていなかったのですが、リサーチして型番がHL2-350 だとわかり、ジャノメのメーカーサイトで入力して説明書をダウンロード。

さらにいくつかのミシン関連のブログに情報が掲載されていて、昔のミシンながら必要な情報を得ることができました。

このミシンを使って鞄を作っている人や、これを購入したというミシン好きの人のブログをみたりするうちにどんどん興味がわいてきて、どうしても欲しくなってしまいました。

オークションにもいくつか出品されていたので、価格が安めで状態のよさそうなものに狙いを定めて、1,2週間で無事ゲットすることができました。

届いたものを持った時、予想はしていましたが、かなりの重量でした。移動するのも今の重めの頑丈なミシン(ベルニナ・ホリデーヌやJUKIシュプール、JUKI HZL-7800など)に比べても重いと感じます。

とにかく直線だけなので単純な作りですが、上糸調節ダイヤル、押え圧調節、送り歯ダウン、返し縫ボタン、手元ランプなど必要な機能はほぼ揃っています。送りは最大4㎜で、縫い目も直線ミシンなので綺麗に出ます。
ただし、押え圧調節は一番強い設定してもやや緩い感じで、手を添えないと生地が曲がって行ってしまいます。その辺がやや不満です。

厚地もそこそこ縫えますが、電動モーターで速度とパワーが比例するため、パワーを出すためにはスピードを出す必要があります。使い勝手という点ではこういう面が今の便利なコンピューターミシンにはかないませんが、シンプルなので誰にでも使いやすいというのは事実です。

長持ちするミシンを安価で手に入れたい人にはこういう家庭用ミシンもいいと思います。職業用と同じ直線専用ですが、格段に安く手に入ります。私の買ったものはジャノメの純正外付けモーターがついていました。70Wの家庭用の標準的なものですが、これをYDK(山本電気)のより大きなモーターYM-43(90W)やYM-61(120W)なんかに付け替えると職業用と同じくらいのパワーを発揮できるのではないかと思います。(実際にやってみたわけではないので、あくまで想像ですが。)
モーターの付け替えはドライバー1本で比較的簡単に出来そうです。

足踏みミシンにもなるこのHL2-350は何より音がいいです。金属と潤滑油が織りなす、カタカタカタという音が何ともいいのです。「昔懐かしい」というのはこういう音や動きが人間に近いアナログ感覚からくる信頼感なのかなと思いました。


2014/04/18

ベルニナミシンの貫通力

ベルニナはよくBOX送りによる送り力があり、貫通力もあるミシンと言われています。
確かにその通りで、ホリデーヌシリーズなんかは音が静かな割に職業用と同じくらい貫通力があるのではないかと思います。
これは欧米で盛んなミシンキルトで厚地縫いのニーズがあり、それに対応するため貫通力が備わっているという文化的背景もあるようです。

実際ベルニナの貫通力ってどれくらいか、耐久テストでもしてみたいところですが、そういう無理をして壊してしまっても嫌なので、実行はできません。
ただし、以前ベルニナの付属品としてついているプラスチックの補助板(厚地の縫い始めで押えが斜めになる時、押えの下に入れて使う板)を間違って針下にしてしまったことがあったのですが、この厚いプラスチック板を難なく貫通してしまいました。
一瞬ヒヤっとしたのですが、14号の普通の針で問題なく突き抜けて元の針位置に戻ったのです。
これには驚きました。針が折れたり曲がったりしなかったのです。こんなものも針が貫通するんだと。板も割れずに小さな穴が開いただけだったのもビックリでした。

ベルニナ付属品、プラスチック補助板
一番右の先、針が貫通した穴

















実際いくつかのベルニナを使ってみた感覚として、ホリデーヌ系の方がアクティバやヴィルティオーゾよりも貫通力があるような気もしますが、プラスチック板を貫通したのはアクティバ130でしたし、このシリーズも結構貫通力があるのは間違いありません。


2014/04/17

ヴィルティオーゾ= 技巧者 購入ミシンNO.12 リッカーBERNINA 160 

Virtuosaと名付けられたこのミシン。クラシック音楽界でヴィルティオーゾ(ビルティオーゾ)は、技巧者・卓越した技術を持つ者を意味する言葉のようですが、このミシンについてはあまり書くことはない。
なぜなら既にActiva130やArtista180などを手に入れた後に、購入したものであるからだ。
筐体デザインもこれらに似ていて、ボディの大きさやフットコントローラーも共通。それ程違いがないのです。


Activa, Virtuosa、Artistaと段階的に上位機種になっていくのだが、アクティバは模様縫いが少なくボタンホールが1種類しかない事と、あまり使わないが膝上げレバーがない事が不満だった。そしてアーティスタはふり幅が広く、針板穴が大きいため布落ちしやすく、全回転で糸締まりが悪いような気がしたため、それらの不満点を解消してくれる中位のヴィルティオーゾが欲しくなったのだ。

RCM-1230とも縫い模様の多さはほぼ変わらないのですが、(以前も書いた)もし海外に行くことになっても持って行ける100-240Vのマルチヴォルテージの問題を解決してくれるこのシリーズのミシンが欲しかったという事。

ただし、誤算があった。このシリーズになってから全ての機種がマルチヴォルテージだと思っていたのだが、そうではないようで、買ったVirtuosa160も違った。。。。。。


自動針糸通しもついていて、鳩目ボタンホールもあり、膝上げレバーもついて、押えもスナップオンタイプで使いやすく、CBフックで糸締まりも良い。機能的には必要なものがそろっていて使いやすく申し分ない。
ただし、この電圧の問題を解決したかったのに、、、、、それが解決されませんでした。であれば、RCM-1230と殆ど変わらず、繕い布枠があったりして便利なそちらを使ってしまいます。


そしてこれを買って改めて気づいたのが、日本の一般的な使用者には洋裁・ソーイングを目的に作られた機種が、一番使い勝手がいいという事。
現在、上位機種は刺繍ミシンだったりして価格も跳ね上がります。日本は海外に比べてもキルト文化はまだまだですし、ミシンと言えばメインは洋裁です。だから煌びやかに見える上位機種を買ってもどれだけ使いこなせるかわからないので、ソーイングを想定して作られたものが多くの人にとっては最適だと思います。

なお、この160もベルニナなので貫通力は十分にあります。買った当時にぼろぼろになってきた財布のカードケースのラミネート部分を新しくしてこのミシンで革に縫いつけましたが、難なく進んでいきました。
糸調節をいじらなくても、裏表綺麗に縫えています。



2014/04/15

穴ひろっ!ふり幅の話

アーティスタを買って考えたふり幅の事。私の結論としては、普通のソーイングに使うなら5㎜で充分だということ。

日本のメーカーの家庭用ミシンは70年代のジャノメのミシンでも7㎜ふり幅を持っていましたし、今の水平釜の家庭用ミシンでもふり幅7㎜のものが多いような気がします。私は、7㎜でも大きいと思います。そんなに模様縫いも重要ではないし、文字縫いも5~5.5㎜で充分です。
ジグザグ、かがり縫いも5~5.5㎜くらいで何の問題もありません。

一方送りの長さは最大値4.5~5㎜くらいのものが多いですが、こちらは職業用のように6㎜くらいまであればいいのにな~と思います。

模様縫いですが、実際どれくらいの頻度で皆さん使われているのでしょうか。購入した当初は皆楽しくて何度か縫ってみるものだと思いますし、子供のために文字や模様をと思う人もいるでしょうが、アップリケや手で書いた模様にそって手刺繍してもいいような気がします。
実際、ミシンって殆どが直線、そしてジグザグ、かがり縫い、まつり縫い、たまにボタンホールというところだと思います。ボタンホールは7㎜も幅はいりません。

刺繍ミシンは大型模様を縫うために9㎜幅の意味がありますが、ソーイング向けのミシンは何のために7㎜あるのか、と個人的には思っています。

アーティスタ180 最大幅9㎜、送り5㎜
ベルニナ アクティバ130の最大幅5.5㎜、送り5㎜

2014/04/14

ベルニナ・アーティスタ180 続き。 だんだんと雲行きが。。。。

様々な不具合がありつつも、普通には縫えていたアーティスタ180。9㎜幅で大きな模様が縫えたり、横送り縫いができたりと触っていて面白かったのですが、、、、、それも長くは続きませんでした。
180での模様縫い
購入後1か月後くらいにディスプレイの設定で変なところを触ってしまったばっかりに、タッチパネルが反応しなくなり、強くディスプレイを押したら保護しているガラス板みたいなのがバリっと割れてしまいました。この不具合は何とか補修して使えるようになったのですが、さらに追い打ちをかけるように2か月程したら針棒が動かなくなったり、釜のタイミングがずれるようになったり、もうこれは衰退の一途というような状態になってきました。

液晶は暗くちゃんと縫えないしでは、もう残るは修理しかありません。このミシンは簡単に開けられて中を見られるのですが、非常に複雑な構造になっていて、修理屋に依頼するしかない模様。とはいえ、これを修理に出すと液晶修理やその他の不具合含めてどれだけの修理代になるかわからず、そこまでこのミシンを使い続けたいか?と言われればNOだという結論に達しました。

このミシンは当時(90年代後半)の最上位機種で、刺繍機をつけて刺繍もできるミシンでした。ただし、日本の中古市場では刺繍機がついて売られていることはあまりありません。海外でアーティスタと言えば中古でも刺繍機付で売られていることが多いのですが、日本では刺繍機としてではなく、ソーイングのために高級な最上位のものを欲しいと購入される人が多いのかもしれません。刺繍をしないなら何もこのミシンでなくてもやはり半回転のベルニナの方が針板の穴も小さく、縫いやすいのではというのが使ってみての正直な感想でした。

直線用針板を使えばいいのですが、それでも送り歯の間隔が広く、9㎜幅の押えでないとぴったりはしていないので、何となく無理があります。また工業用全回転釜なのですが、このアーティスタはなぜか糸締まりがあまり良くない気がしました。やはりベルニナCBフックの方が普通の縫いはいいと感じました。

また、オートテンションという形をとっているので、上糸調子のテンションダイヤルがありません。画面上で糸調子を調節できるのですが、ダイヤルでやらないためかちゃんと調節できているか縫ってみるまでは不安で、下糸のボビンケースのネジを調節した場合、上糸がどう出るかはコンピューター任せなので、どうなっているかわかりません。
こういう部分でも何となく使いにくさを感じてしまいました。

なお、針板穴があまりにも大きいので、アクティバについていた5.5㎜用の針板が付けられるか試してみましたが、送り歯の形状が違うので使用できませんでした。アーティスタ用には別の5.5㎜針板がオプションであるようです。

私の中では、直線、ジグザグ、まつり縫い、ボタンホール程度の使用なら、糸締まり、ふり幅、押えが大きくやや邪魔な事などを考慮しCBフックの方が使い勝手が良いという結論になったということ。

もちろん刺繍をしたい人は別ですが、刺繍機やソフトも対応するパソコンOSがXPだったり、なかなか使いこなすには手間と覚悟が必要です。そして、刺繍ミシンもカラー液晶でより多くの機能を備えた良い機種がどんどん出てきていて、それらにはすぐにかなわなくなります。よって、刺繍をメインで使わないなら、刺繍ミシンはいらないと感じます。

最近になってこういうのを見つけました。当時これがあったらもっとがんばってタイミング調整などやったかも。
http://www.youtube.com/watch?v=OW1rxluKm6k

2014/04/13

念願のアーティスタ! 購入ミシンNO11 リッカーBERNINAアーティスタ180 

ついに!ついに! アーティスタ180を手に入れました。
思えばリッカーベルニナRCM-1230を購入する前に、どうしても欲しかったミシンだが、あまりの金額に購入できず心残りがずっとあったのです。そして待つこと半年ちょっと、ついに手にすることができました。当時想定していたより安い値段で。
ずっと強く思うと願いは叶うとは言われますが、そういう事なのでしょうか。

とりあえず、念願かなって手に入れたアーティスタ180ですが、そこは中古、ジャンク扱いの動作品ということで出ていた機種なので、不足した部品や不具合が少々ありました。


まずは、ディスプレイが暗い、という事。これは、ディスプレイの設定画面で何とかなるくらいかと思っていましたが、いくら明るさ調節しても見にくい状態でした。
色々調べてみるとやはり、液晶ディスプレイを採用したミシンは年数が経つと、どうしても暗くなってくるようです。特に液晶タッチパネルのミシンは劣化すると模様選択もままならなくなるとか。これは致命的な欠点ですね。修理したら直るものもあるようですが、当然メーカーは液晶が劣化するくらい年数が経ったものはあまり修理したがりませんし、対応しない場合もあるようです。ミシン修理屋さんでは対応してくれる所もあるようなので、そういうところに依頼するしかありません。
今多くのミシンが液晶を採用していますが、こういう欠点があると高い値段を出して液晶タッチパネルのミシンを買うのは躊躇してしまいますね。一定年数使えればいいという人でないと向いていません。

次は説明書がない事。これはベルニナのHPに類似機種の185の説明書があったので、そちらを参照しました。ほとんど一緒なのでよかったのですが、それまでのベルニナの機種とは違い膨大なページ数で、操作を覚えるのも大変です。

そしてこのミシンはふり幅が9㎜で横送りもできるということで、押えも他のベルニナNewスタイルのものとは違います。9mmふり幅のものは押えにレンズがついていて、センサーで9㎜だと検知する仕組みになっています。
普通の押え(5.5㎜幅用)も装着可能ですが、それをつけると画面上のふり幅は自動的に5.5㎜設定になって、それ以上針が振らない設定になります。これは便利です。5.5mm用の押えを付けているとき、大きなふり幅にして押えを針が突いてしまう危険はないですから。(これは実際使ってみるまで全く知りませんでした。)

また、買った180には基本押え1Cがついていませんでした。ただし、20(刺繍押え)、40 (横送り押え)がついていたので、9㎜の模様などを縫う際にも困らなかったのですが、やはり基本の押えは欲しくなり後に購入しました。ただし、使用感はほぼ変わりませんでした。20は前があいているので、逆に普通の縫いでも針が見やすくて使い勝手がよかったです。


その他も、ケースが汚かったのでワイドハイターEX+日光で白化するようにしたり、フットコンの接触が悪く反応しないので出品者に交換してもらったりと、何かと不具合の多い機体でした。
ただ、普通には縫えていたので、やや使いにくかったり、足りない部分があっても、やっとの思いで手に入れたアーティスタ180。本当に嬉しかったものでした。

2014/04/12

ベルニナ #55ローラー押え

1050は厚地に強いので、靴づくりに使おうと考えたのは前回書きましたが、そんな中ベルニナのアタッチメントのカタログで見つけたのが、ローラー押えというもの。

これがあれば、針板・押え周辺を腕やポストミシンに近い形にできるので?と考え、海外のミシンショップから購入。日本で買うと高いので、送料を考えてもこちらで買った方が安かったのですが、待てど暮らせど来ない。
何度か問い合わせて、3週間後くらいに到着。これ以外にも部品を買ったのですが、一部注文と違う部品が入っていて、また連絡して、その間違っていた部品は最初の注文から2か月後くらいに届きました。こういうのは海外通販ではある程度覚悟しないといけませんね。
早い事もあるので、必ず時間がかかるという訳ではありませんが。

そしてこの#55ローラー押え買ってみて気づいたのが、左基線でしか使えないということ。
こういう情報はベルニナのサイトには載っていません。


ということは靴用ミシンと同じ状況を作ろうとして買った直線針板は使えません。多分送り歯から針が離れてしまうからでしょうね。
しょうがないので、生地が落ちないように自分で5㎜くらいある針板の穴を、左の針落ち部分だけ残してテープで塞ぎました。手作り即席直線針板です。


使ってみた感想ですが、普通に縫うなら革でも基本押えで問題なく縫えるので、そちらの方が縫いやすいです。ただし、手前が開いていて見やすいので、その点ではこちらの方がいです。



※追記
上記の方法でテープで塞いだだけでは糸がテープにくっついてしまい、下糸が絡んでしまう事がありました。粘着性のないものを貼り付けて、右側の穴をふさぐ形にしないといけない事に後に気付いたのでした。

2014/04/11

ベルニナに職業用はない?? 購入ミシンNO.10 リッカー・ベルニナ ホリデーヌ1050

ベルニナを好きになってから、ずっと気になっていたのが、全回転釜採用のベルニナ電子ミシン、1021や1050などのシリーズ。現在でも1008という電子ミシンが製造・販売されていますが、1008は半回転釜です。

工業用と同じ全回転の1050は、半回転の1230・1240よりも職業用により近く、厚物にも強いとの事を聞きました。そうなるとどれくらい違うのか知りたくなり、ずっと欲しいなと思っていたら、手に入れる事ができました。

ピンクの外観はどうかなーと心配していましたが、よくあるガーリーファンシーなものではないので、それほど違和感なく馴染みます。
工業用全回転なので、ボビンも職業用と同じ21㎜×9㎜、シュプール25のものが使えます。
実際に使ってみた感想ですが、厚地に強いのはわかりましたが、RCM-1230と比べてどれくらい変わるのか、1230も結構な厚地が縫えるので、あまりその差はわかりませんが、半回転CBフックベルニナより音が静かだと感じました。ゆっくり縫っても貫通力があり、革なども静かにストレスなく縫っていくので、安定している気がします。 
これは予想以上でした。職業用はモーターがややウーンウーンという感じですが、これはシュワッシュワッと言った感じ(わかりにくいですかね)。厚地を同じスピードで縫っても断然1050の方が静かです。

ベルニナには日本でいう高速で直線のみを縫うための職業用ミシンはないですし、1050も職業用ミシンではないのでスピードは職業用ほど出ないのですが、それと同じくらい信頼できるといったところでしょうか。ジグザグもボタンホールも縫う事が出来て、貫通力や送り力もあるので、余計な機能はいらないが、安定したミシンが欲しい人にはとてもお勧めできるミシンです。

1050はシンプルな電子ミシンで耐久性もあり厚地に強いということで、これは靴作りに使えるのではと思って購入した部分もあります。家庭用で靴の革を縫えるのかという点ですが、学校で靴作りに使った革の端切れを縫ってみたところ、問題なく縫えました。

学校で先生に聞いてみたところ、普通のミシンでも縫えるという話もあるから、革を縫えるのであれば問題ないのでは、と言っていました。
今は靴作りの一部の作業が家ではやりにくい事や、色々と靴作りには資材や道具が必要なので、まだやっていませんが、いずれこのミシンで縫って靴を作ろうかと思っています。
まあ置くスペースがあればポストミシンか腕ミシンが欲しいところですが、、、、

2014/04/10

ハトメ、カシメ、ポンチ、ボタン、穴あけなどなど

エプロンを作るにあたって、穴あけやハトメを使う必要に迫られました。
スナップボタンも使おうとか色々考えているうちに、いろいろ買ってしまいました。というか買う必要に迫られました。
穴をあけるのもサイズが色々あり、またハンマーでたたくと音がうるさいので、ゴム板が要り、さらにハトメとカシメでは金具も違う、こういうものを使ってエプロンを仕上げたいと思うと、想像以上にたくさんのものが必要だということがわかったのです。

打ち台もサイズごとに揃えるのか、はたまた、オールマイティプレートといういくつかのサイズが1角台に一緒になったものか、選ぶ必要があります。

下記の写真左側にあるものは100円ショップで揃えることが出来ましたが、100円ショップにあるものは種類も限られているので、他は殆ど東急ハンズで買いました。
また、ある手芸屋のオンラインショッピングで、オールマイティプレートを買おうと思い注文したところ、3か月ほど入荷にかかるというのでキャンセルしました。在庫なし入荷待ちとなっているわけではなく、普通に購入ボタンを押して注文できるのに3か月待ち!! それを予めWEBに記載していないという感覚に驚きました。東急ハンズでは普通にたくさん展示販売している商品の入荷に3か月程度もかかると言うのです。それ以来このショップでは買う気が起きません。

穴あけ、カシメ、ハトメなどの道具の数々

オールマイティプレート

ポンチの数々

ハトメ、ボタンなど



2014/04/09

エプロン作り 男のエプロンの本

靴学校で必要なのでエプロンを作りました。
この生地は100円で見つけたもの。さらに資材も紐とハトメなどで実際の材料費は200-300円くらいです。革は以前鞄を作った時の残りの革です。
やや厚めの生地ですが、左はSPUR25、右はBERNINA 130で仕上げました。


その時に参考にしたのが男のエプロンの本。以前同じ嶋崎さんの男のシャツの本を紹介しましたが、このエプロンの本も作る前から購入していて、学校でエプロンを持参する必要があったため、この型紙本が役に立ちました。実際に作ったものは型紙を一部アレンジして、左のものはポケットと紐を革に変えて作りました。
この本はシャツ以上に私の好きな本です。なぜなら本の雰囲気・質感がシャツよりもとても温かいもので、色も何とも言えない深さがあるからです。くすんだような色で構成された本はアンティーク感があるというかとても愛おしく感じるのです。今後ずっと持ち続けていても愛着がさらにわいてくるのではないかと思えます。アウグスト・ザンダーの写真集のようでもあります。



この本はいわゆるキッチンのエプロンをあまり想定していません。
どちらかというとクラフトマン、職人のエプロンです。
だから男としてカッコいいと感じるのです。仕事に時間と情熱を傾けたものが醸し出す自信。
そこから漂う、空気、そういうものがこの本からは感じられます。
なかなか自分でエプロンを作る必要がない人も、写真集としても楽しめます。