このジャノメ815は70年代半ばに発売された当時の高級ミシンです。
今でも評価の高いトピアシリーズのカム交換をミシンに内蔵し、機械式ダイヤルで模様選択をするエクセル815。
機械式ならではの、金庫のダイヤルみたいな選択ダイヤルも時代を彷彿とさせます。
一番上が模様選択ダイヤル。
その下の外側ダイヤルが針基線変更、内側が送り長さの設定。さらに内側が返し縫ボタンになっています。
下のレバーがふり幅調節・最大7㎜
針基線選択ダイヤルで、直線を選べばこの振り幅レバーが自動的に0になるようになっています。
その右にある縦長のボタンが一針縫いボタンです。
針が上にある時ボタンを押すと一針縫えます。針が布に刺さっている時は、押すと針が一番上まであがります。針停止位置が設定できないミシンでは、とても便利な機能です。
■フリーアーム■
トピアシリーズやそれまでのジャノメのミシンと違いエクセル813,815はフリーアームになります。そしてそのフリーアームがかなり細めなので使いやすいです。
今主流の水平釜のミシンでは構造上ここまで細くするのは無理です。何かを得れば、何かを失うということですね。
■テーブル■
テーブルも十分な広さがあります。
ボビン交換時テーブルを外さなくてもいいように透明でボビンケース収納部分が見えるようになっています。
テーブル左側はケース収納時、簡単に折りたたむことが出来ます。
■模様縫い■
模様縫いはこんな感じで結構あります。ただし、これを買って気づいたのですが、ジャノメの模様縫いはジャノメ独特の形のものもあり、今までのJUKIやベルニナとはまた違ったものがあります。
模様縫いの早見表が上部蓋の裏面に書かれていて、送り長さやふり幅の設定を確認できるようになっています。
■ケース■
リッカーのRZ-701もそうでしたが、70年代ミシンのケースは何とも時代を感じさせる作りになっています。持ち手と上面、側面に革を使用しています。凝ったつくりで高級感があります。こういう革を使ったケースはベルニナにもJUKIにもありません。
■パワー■
貫通力もそれなりにあり厚地もある程度縫えます。モーターが家庭用で普通の70W程度ですが、ボディをはじめ、多くの駆動部が金属製で精工につくられているので安定感があります。
■しつけ機能■
左は説明書しつけ縫いのページ、右は実際このミシンでやったしつけ |
ベルニナRCM-1230やホリデーヌ1240にもしつけ縫いの機能がありますが、こちらはコンピューター制御で、数回送るごとに針が一回降りる形になっていて、しつけの長さは限定されます。
一方エクセル815はモーターをしつけモードにして、押えを解放し、フットで一針縫い、布を手で送り、またフットを踏み一針ずつ縫っていく。
オートではなく、マニュアルしつけと言えるものです。
洋裁の基礎的な観点から見れば、
しつけはしつけ糸を使い、切りじつけや押えじつけなどをしないとダメです!
となるかもしれませんが、いちいちその準備をするのが面倒な時、またまち針をするのも難しい部分などは、このしつけ機能で仮止めしてしまえば楽です。
★この投稿をする前に久々に815を触ってみましたが、やはりなかなかいい動きをします。コンピューターミシン程多くの機能はありませんが、必要十分な機能性能が備わっていて、自分のペースで作業ができる無理のないミシンです。縫い目も綺麗に出ます。
左が表、右が裏面 |
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